日本水産物貿易協会が公表した本年10月の水産物貿易は、輸出数量が4万4572トンで前年同月の6万2571トンを3割下回り、輸出金額では168億7314万円で前年同月の207億8879万を2割下回った。一方、輸入数量は24万1179トンで前年同月の25万1630トンを4%下回り、輸入金額は1355億5288万円で、前年同月の1425億9476万円を5%下回った。 冷凍サバの輸出は03年が6288トンと少なかったものの、04年2万2354トン、05年5万5749トン、06年17万2984トン、07年14万6963トンと、2年続けて10万トンを越えた。冷凍サバの輸出先はタイや中国といったアジア諸国、ナイジェリアやエジプトといったアフリカ諸国など。本年7〜9月は単月で1万6千〜2万トンと前年や一昨年の同期を上回る好調な輸出が続いていた。しかし、10月に起きたリーマンショック以降急激な円高基調となり、10月単月では9千トン弱と前月及び前年同月の約半分と、好調だった輸出は急に失速した。輸出の平均単価は03〜06年は60〜70円台だったものの07年は90円弱に上がり、今年は110円台と前年より2割高かった。 冷凍秋サケの輸出は中国を中心に03〜06年は年間6万トン前後で、平均単価は03年が114円だったがものの、06年には倍以上の265円まで上昇、昨年は224円とやや下げた。03〜07年の10月単月の輸出は1万5千トン〜2万4千トンで、本年10月単月では7千800トンと前年同月の半分に減少。北海道は不漁を受けて浜高で、サバ同様に輸出は不振であった。 一方、冷凍サンマは03〜07年は1〜2万トン台の輸出だったものの、07年は3万3千トンまで急増した。本年10月単月で5254トンの輸出があり、本年10月までの累計数量では3万6639トンと昨年の一年間の輸出実績を1割上回った。主な輸出先はロシアのほか、タイ・中国・韓国・ベトナム等のアジア諸国。輸出単価は03年は109円と高かったものの、04〜08年は70〜80円台で推移。 冷凍カツオの輸出は、バンコク相場に連動して6月以降180円を超え、輸出のピークの7月(2万トンで年間の3〜4割)には198円と200円近くまでいったものの、8月194円、9月190円とやや下落した。10月には欧米の需要の落ち込みもあり、160円まで大幅に下落。なお、輸入の相場も輸出とほぼ同じ展開をした。