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最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.641

7日には早くも値崩れ

今年のサンマ漁は、7月中は流し刺網船主体の水揚げが続き、1日あたり数十〜100トンの水揚げが続きましたが、7月末にはロシア水域でまとまり始め、道東4港で200t/日、8月始めには300t/日の水揚げがありました。8月5日に全国さんま棒受網漁業協同組合所属の20t未満棒受網船が解禁になると、翌6日には道東4港の水揚げで約1千t、7日には約1千700tと急激に水揚げが増え、8月上旬前半の350〜500円/kgの相場から7日には50〜60円/kgまで一気に値崩れを起こしました。今年は例年に比べて特大魚の比率が多く、8月10日前後では180gサイズが水揚物の8割程度占めています。

築地市場も大量入荷

東京築地市場では、7月の新サンマの入荷数量は10〜40t/日でしたが、8月2日に80トンを超え、8日・9日・11日は100tを越える大量入荷がありました。このため特大の200gサイズでも8月始めには1千円/kgだったのが10日前後には500円/kgまで暴落しました。この時期のサンマは北上期のために、餌を消化管の中に持っているものが多く、腹が破けたりするので冷凍在庫向けや加工向けには不向きです。かつ、サイズも特大〜大型魚主体で小型魚が少なく、量販店や鮮魚店等での鮮魚販売向けに一極集中するため値崩れを起こしてしまいます。

自主休漁を9日から実施

大型船出漁前に早くも値崩れを起こしたことから、業界では9日(土)から18日(月)の一斉休漁に、「自主休漁」及び「操業日の制限」を行っています。18日の一斉休漁は、先月15日の全国一斉休漁時にはサンマ漁の漁期前で、今回、改めて業界独自に実施するものです。8月9日(土)は小型船が自主休漁を行い、10日(日)・13日(水)・14日(木)・16日(土)は中・小型全船が休漁を行うので翌日の水揚げはありません。船側は残りの11日(月)・12日(火)・15日(金)・17日(日)の4日間のうち、2日間を選択して操業することになっています。これは産地市場(釧路や根室・花咲港等)の元々の休市日にあたることや、東京築地市場や大阪市場等の消費地市場がお盆で15日から三連休になるので、需要も落ちる時期に当たることを考慮したものだと思います。自主休漁により11日(月)の水揚げはなく、12日(火)の水揚げは道東4港で400tしかかったので、高値でキロ500円、平均でもキロ250円まで魚価が回復しています。サンマの魚価は11〜12月の漁期終盤に向けて右肩下がりで安くなるのが通例で、漁期始めから漁期終盤のような価格形成では船側の経営環境は厳しいと思います。来週、水揚げ再開されて以降、本格的なサンマの漁獲シーズンに入ることから動向が注目されます。

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