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vol.640

サンマの産地価格大幅に下落

今年のサンマ漁が始まって、はや1ヶ月。流し刺網漁船(10t未満)は7月8日に解禁になり、スタート当初の数日間は1日合計100t(産地の平均価格で約700円/kg)の水揚げがあったものの、 20日前後になると30〜60t(1400〜1700円/kg)と急に低調となりました。下旬になると10t未満棒受網漁船も出漁し、月末になると120〜180t(160〜500円/kg)と盛り返し、 8月1〜2日は各300t(350〜500円/kg)とまとまりました。棒受網の漁場は日本の領海内では小型主体のためキロ数十円と安く、ロシア水域内の方は170g級の大型魚主体のため、キロ500円と高く、 価格差が大きかったようです。今月に入ると流し刺網漁船は価格の下落とともにほぼ終漁しました。
8月5日には全さんま(全国さんま漁業協会)所属の20t未満棒受網漁船が出漁し、本格的な”サンマシーズン”に突入しました。6日は道東4港で1千t近い水揚げがあり、7日には1千700tもの 水揚げがありました。このため、6日の平均価格は130円/kg、7日は62円/kgと一気に下落し、燃油代が高くて大変だというのに漁期終盤の様相です。このあと、8日には中型棒受網漁船が、18日には大型棒受網漁船(100t以上主体)が 解禁になり、全船出揃います。なお、18日にはサンマ船の一斉休漁を行う予定なので、大型棒受網漁船の実質的な解禁日は19日となります。
サンマの日本全体の漁獲可能量は昨年漁期当初は28万6千t(漁期途中の11月に39万6千tに増枠)でしたが、6割増の45万5千tに増枠されました。資源が減っている魚種が多い中、サンマは公海上の資源が今だ豊富(450〜900万t以上)だとされており、 養殖魚向けの餌やミールが不足していること、サバ同様に輸出が好調なことなどが増枠された背景です。サンマは食用向けとしては20万tあれば適正だとされています。その倍以上の漁獲枠があり、獲れば獲るだけ安くなるジレンマもあり、 船側も価格を維持できなければ、燃油の高騰した分を吸収するのは難しいかもしれません。今年もサンマ業界を巡る環境は厳しそうです。

量販店では早くも新サンマを特売

サンマ漁が解禁して以来、量販店では新サンマが1尾300〜500円台(高い年では1尾1千円)で販売されていました。ここ数日間をみると、都内の量販店では170g級の新サンマを1尾150〜200円で販売しており、 中には1尾98円という店もありました。昨年漁獲した解凍物が1尾78〜120円なので、新物とあまり代わらない価格帯に入ったようです。サンマは「秋刀魚」と漢字で書くように、今は餌場に移動途中の北上期のもので 痩せています。脂がノッて来るのはやはり9月に入ってからで産卵の為に南下期に移る頃です。 カツオもそうですが『旬』の先取りは、そろそろ考えても良い時期かもしれません。

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