燃油高騰の影響を受け、さる18日(水)〜19日(木)の二日間に全国の小型いか釣り漁船約3千隻が一斉に休漁した。このことはテレビや大手新聞でも連日報道され、社会的に注目をあびた。漁船の燃料として利用されるA重油の価格は、現在、五年前の3倍、二年前の2倍の1リットルあたり100円を超えており、1回の操業で200〜300リットルを使用し、経費の3〜4割を燃油代が占める。日本海側の現在の小型いか釣り漁船の主漁場はやや漁獲が落ちてきたものの金沢〜新潟沖の北陸で、漁場の先端は渡島〜函館の道南地区。山陰地区はピークが過ぎ漁が下火になり、山口〜九州北部はスルメ漁からケンサキ漁に切り替わる。一方、太平洋側は岩手〜宮城県等の定置網で胴長10cm程度の夏イカ(麦イカ)の入網が始まったものの、小型いか釣りの操業はこれから。
東京築地市場を始めとする消費地市場は18日(水)が休市日にあたり、翌19日の入荷に注目された。5月中は1日20トンペース(発泡4千600ケース)の入荷で6月に入ると1日30トンに増加し、10日前後には北陸からの入荷が増え50トン前後にさらに増加した。その後やや減るものの先週前半は1日30トンペースで推移した。19日の生鮮スルメイカの入荷数量は30.9トンと休み前の水準をキープしたものの、しかし価格は500円/kg前後から780円/kgと5割アップした。入荷先は北陸や山陰〜九州の定置網物・まき網物主体(ほか三重・静岡の活物)。20日は15トン(2千500ケース)と19日から半減した物の定置のバラ物主体(ほか三重・静岡の活物)ということもあり、価格も480円/kgと反落した。
量販店の対応として、東京中央区内のA店は19日は冷凍スルメを解凍して販売して2杯398円と通常通りの価格帯で販売し、翌20日は三重の15尾サイズを1尾298円で販売。色が落ちているのでまき網の混じり物か。B店の20日は三重の活イカを25尾サイズを1パイ498円で販売。昼過ぎに3パック並んでおり、夕方行っても数が代わっていないので、価格が高いので売れにくいのか。C店は北陸の定置物(?)のバラサイズを3バイ1パック298円で販売。バラ物ということで50尾以下のサイズで色も白く変色。一方、港区内の鮮魚専門店ではケンサキイカやヤリイカやアオリイカの刺身用の冊を販売し、生鮮のスルメは時間帯もあってか店頭にはなかった。1パック500〜1000円。店によっても対応がわかれたようだ。