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2025年11月19日
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vol.1394 記事一覧

10月の概況と11月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では道東沖、愛知~三重県沖、山陰沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。道東沖のミール向けを主体とするまき網漁は、釧路・広尾に1日あたり数百~5,500トンを水揚げした。道東沖のまき網漁は10月末で終漁し、今期の水揚量は156,000トンで前年同期の76%であった。また、道東沖では引き続きまいわし棒受網・たもすくい網漁が行われたほか、少量ではあるものの三陸沿岸では定置網による漁獲がみられた。

10月上中旬の主要港における水揚量(以下「10月上中旬の水揚量」という。)は33,000トンで、前月から44%減少し、前年同月から18%減少した。価格は50円/kgで、前月の11%高、前年同月の15%安であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道・愛知主体に三重・鹿児島等からであった。10月上中旬の入荷量は前月から41%減少し、前年同月から42%増加した。価格は前月並み、前年同月の21%安であった。

道東沖のまき網漁が終漁し、産地の水揚量が減少することから、東京への入荷量は減少し、卸売価格は強含みで推移すると見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では八戸沖、常磐沖、銚子沖、静岡~和歌山沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。10月に入り、八戸、石巻、銚子で1日あたり数百トン水揚げされるようになり、銚子の水揚量は3,000トンで、前年同月(430トン)を大きく上回った。石巻では過去10年で最も早い10月24日に金華さばの到来が宣言された。福島県沖で漁獲されたまさばの魚体は200g台主体であった。また、前月に引き続き、九州対馬沖ではまさば主体、西沖ではまさば・まあじ主体の漁獲で、松浦を中心に水揚げがみられた。一方、三陸沖では底曳網によるまとまった漁獲がみられたほか、三陸沿岸や富山湾では定置網、伊豆諸島水域ではたもすくい網による漁獲がみられた。

10月上中旬の水揚量は8,800トンで、前月から14%増加し、前年同月から43%増加した。価格は169円/kgで、前月の24%高、前年同月の32%高であった。

消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは宮城主体に富山・三重・長崎等から、ごまさばは宮城主体に岩手・千葉・静岡・三重等からであった。10月上中旬の入荷量は前月から4%減少し、前年同月から27%減少した。価格は前月の4%高、前年同月の16%高であった。

今後、水温の低下により、三陸~常磐沖の水揚量が徐々に増加すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣船は、日本海側では北海道西~道南、北陸、山陰~九州沖で操業したものの、全般的に低調な漁模様であった。一方で、太平洋側では、道東~青森~岩手県沖に漁場が形成され、昼いか釣主体の漁を行った。小型するめいか釣漁業は、TAC超過を受け、10月下旬以降、北海道、青森、岩手の小型いか釣船が自主休漁を行った。その後、10月末には、11月1日から来年3月までの採捕停止命令が発出された。また、北海道や三陸各地では底曳網による水揚げがみられたほか、少量ではあるものの、三陸沿岸の定置網による漁獲がみられた。沖合底曳網についても、まとまった水揚げが続いていたことから、1隻あたりの漁獲量を制限して操業を行った。

一方、中型いか釣り船(船凍)によるするめいか漁は、引き続き青森~岩手県沖で操業が行われた。

10月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は1,200トンで前月から76%減少し、前年同月から38%減少した。価格は935円/kgで、前月の55%高、前年同月の29%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、北海道・青森・岩手・宮城等からであった。10月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から30%減少し、前年同月から69%増加した。価格は前月の64%高、前年同月の26%高であった。

太平洋側では好調な漁模様が続いていたものの、TAC超過による採捕停止命令を受けて、今後産地の水揚量は減少すると予想され、生鮮物の東京への入荷量はやや減少、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では三重~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。山陰沖はぶり主体に、まあじも比較的まとまって漁獲された。前月に引き続き、九州西沖では、まさば・まあじ主体の漁獲がみられ、松浦を中心に水揚げされた。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網と定置網による漁獲がみられた。

10月上中旬の水揚量は2,200トンで前月から11%増加し、前年同月並みであった。価格は263円/kgで、前月の11%安、前年同月並みであった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に宮城・千葉・石川・三重・鳥取・佐賀等、中小あじは宮城・三重等、小・豆あじは三重主体に高知等からであった。10月上中旬の入荷量は前月から17%増加し、前年同月から6%減少した。価格は前月の8%安、前年同月の3%高であった。

今後も山陰や九州を中心とした水揚げが続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

かつお

かつお近海竿釣り船の漁場は、銚子沖、伊豆諸島周辺主体に東北沖等に形成された。例年この時期主漁場となる東北沖の漁模様は低調な状態が続き、近海竿釣り船の10月の水揚量は、気仙沼は180トン(前年比5%)であった。一方で、千葉県勝浦は240トン(前年の17倍)、鹿児島は654トン(前年の2.2倍)と前年を大きく上回った。

また、かつお・まぐろまき網漁は、青森県~襟裳岬沖に漁場が形成され、くろまぐろを漁獲した。

10月上中旬の生鮮かつおの水揚量は980トンで前月から42%減少し、前年同月から65%減少した。価格は534円/kgで、前月の11%高、前年同月の38%高であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、鹿児島主体に宮城・千葉・神奈川・愛媛・長崎・宮崎等からみられた。10月上中旬の入荷量は前月から26%減少し、前年同月から49%減少した。価格は前月の27%高、前年同月の12%高であった。

かつお近海竿釣り漁の終漁が近いことから、今後、東京の入荷量は減少し、卸売価格は強含みで推移すると見込まれます。

さんま

さんま棒受網漁の主漁場は、前月に引き続き花咲沖や落石沖に形成されたほか、中旬以降は、オホーツク標津沖、霧多布南60~90海里、襟裳岬東南東50~南東70海里、岩手~福島県沖20~70海里にも形成された。花咲を中心に、北海道、東北~常磐各地に、連日数百~1,500トンの水揚げがみられた。魚体は、花咲沖は50~140g主体、三陸沖は70~160g主体であった。

10月上中旬の水揚量は11,000トンで前月から35%減少し、前年同月から22%増加した。価格は380円/kgで、前月の8%高、前年同月の23%安であった。

消費地(東京)におけるさんまの入荷は、北海道・岩手・宮城・福島からであった。10月上中旬の入荷量は前月から40%減少し、前年同月から62%増加した。価格は前月の26%高、前年同月の12%高であった。

今後、三陸~常磐を中心に漁獲が続くものの、水揚量は減少するとみられ、東京への入荷量は減少し、需要が低下することから、卸売価格は弱含みで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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