全国主要港での10月の生鮮マイワシ水揚量は前年同月比31%減の3万9664トンだった(6日時点の速報値)。巻網を主力とする釧路や広尾など道東は、3万6398トンで、前年同月の4万6300トンを21%下回った。
今年は8年近く大蛇行を続けた黒潮の流路が通常の形に戻り、親潮もやや強かったため三陸・常磐の水温が低下。2023年以来の道東沖高水温も解消された。その結果、マイワシの道東沖への北上も遅れ、(近年ロシアが漁獲を伸ばしていた)北方四島へもほとんど達しなかったと思われる。
今後、マイワシは産卵場に向けて南下に入る季節。水産研究・教育機構は資源状態や海況から、11~12月の漁場への来遊を前年並み~下回ると予想する。
水研機構推定でマイワシ太平洋系群の24年の親魚量は270万トンと生物学上の目標143万トンを上回るが、同年の漁獲はロシアの操業拡大(59万トン)などで138万トンと、持続可能な水準の2倍超。今後には注意がいる。
対馬暖流域では10月の水揚げ最多は861トンの長崎。続いて鹿児島・枕崎が544トンを記録した。
(みなと新聞取材)