今期の生鮮スルメイカ水揚げは前年を上回るペースで進んだ。1~9月の全国主要港の累計水揚量は前年同期比53%増の1万3511トンとなり、前年1~12月の累計1万3020トンを超えた。ただ、漁獲地域に偏りが見られる。今年10月1~30日の実績(速報値)は40%減の1606トンにとどまった。
小型イカ釣漁業の漁獲可能量(TAC)の超過を受けて10月下旬以降、青森、岩手、北海道の小型イカ釣漁船は自主休漁を講じた。沖合底引網漁業はTAC超過の恐れから、9月中旬以降は1隻当たりの漁獲量を制限して操業した。9月中旬以降の水揚げ減により、10月の平均浜値は前年同期比3割高のキロ1003円となった。
今期の漁模様の特徴として、漁獲地域に偏りがある。三陸-常磐の太平洋岸の一部で局所的に獲れたのみ。日本海は引き続き全域が大不漁。
10月の実績を主要港別に見ると、釣物や底引網物の青森県八戸は34%減の353トン、岩手県宮古は37%減の372トン。底引網物の宮城県石巻は55%減の217トンにとどまった。
(みなと新聞取材)