1~20日の生鮮釣カツオの水揚量は、前年同期比59%減の1115トンにとどまる。三陸沖での近海カツオ漁は低調推移が続いており、近年にない不漁年となっている。
同期間の主要漁港別の水揚量をみると、気仙沼(宮城)は前年同月の3492トンを大幅に下回る158トン。一方、前年は14トンの水揚げだった房州勝浦(千葉)は189トン、鹿児島は51%増の488トンと増加した。御前崎(静岡)は20日にまとまった水揚げがあり、269トンを記録した。
鹿児島の増加は、同港への中型さお釣船の水揚げが増加したと考えられる。東北海域の不漁が著しく、主力の中型さお釣船は他海域まで漁場探索を広げた。漁獲量や港への距離、カツオの浜値、餌の調達など、さまざまな要因で南西諸島の漁場が選択したと思われる。この時期に南西諸島が漁場になるのは異例だ。
中型さお釣船は、既に漁を切り上げた船もあり、低調なまま早めの終漁が見込まれる。潮目ができるなどし、状況の好転が期待されたが、好転するほどの分布量はみられない。
1~9月までの生鮮釣カツオの水揚量は、前年同期比51%減の1万4798トン。このうち、気仙沼は3878トンにとどまる。
(みなと新聞取材)