全国主要港での9月の生鮮マイワシ水揚量は前年同月比43%増えて8万1888トンだった(2日時点の速報値)。いずれも巻網を主力とする道東の釧路が37%増の4万6262トン、広尾が2・3倍の1万9841トンを揚げた。
8月に魚影が濃かった銚子(千葉)は、9月も18日までに9615トン(前年9月は0トン)を記録した。今夏の水揚げ増は黒潮大蛇行が解消されたことと関係するかもしれない。
後に、銚子は下火となり、9月19日以降の水揚げがない。例年より遅れていた魚群の北上が「ようやく」起きたため、道東中心の漁獲にシフトした。水産研究・教育機構の予報だと、道東沖の漁場形成は10月くらいまで続き、11~12月から三陸-常磐へと南下していく見通し。
マイワシ太平洋系群の2024年の親魚量は270万トンと生物学上の目標143万トンを上回るが、同年の漁獲はロシアの操業拡大(59万トン)などで138万トンと、持続可能な水準の2倍超。今後には注意が要る。
日本海側だと9月の水揚げ最多は境港(鳥取)。前年同月比72%減ながら2261トンを記録した。
(みなと新聞取材)