生鮮釣カツオの水揚量は低調に推移している。全国主要漁港における9月水揚量(18日時点)は、前年同期比68%減の1128トン。例年だと秋のカツオシーズンに突入する時期だが、東北沖への北上群が少なく、主要水揚げ港の気仙沼(宮城)は低調な推移だ。
主要漁港別のうち、気仙沼は85%減の433トンだった。房州勝浦(千葉)は前年同期の19トンを大きく上回る270トン、鹿児島は約2・3倍の384トン。東北沖は戻りカツオになる北上群が少なく、北上しない大型のカツオは房総より南には分布しているもようだ。さお釣船は房総―伊豆諸島、または九州周辺まで範囲を広げて操業している。
8月の水揚量は前年同月比50%減の2827トンで、中型さお釣船の漁場は東北北部沖、三陸沖、房総沿岸、伊豆諸島周辺などに形成した。東北海域は1~2キロが主体。千葉県以南の漁場は勝浦に水揚げし、6~7キロの特特大銘柄が主体だった。
黒潮大蛇行、黒潮続流の北偏が収束し、東北海域に親潮が入り込みやすくなった。戻りカツオが多く来遊する見込みは薄いが、親潮が東北海域に南下することで良い潮目ができ、カツオが少ない中でも、ある程度まとまった漁場ができる可能性はある。
(みなと新聞取材)