8月(21日まで)の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚げ(速報値)は、記録的不漁だった前年同期の2・8倍となる1822トン。改善したのは662トンの八戸(青森)、327トンの三沢市(同)、272トンの久慈(岩手)など三陸で、日本海は不漁が顕著だ。
三陸は6月以降にスルメイカが好む水温となって以降、上向いた。7月まで1尾60~160グラムと小さかったが、8月に200~250グラム級も出現。近年、漁の主軸となっていた沖合底引網は7~8月に禁漁ながら石巻(宮城)の小型底引網は1日10~20トンを揚げ、岩手―下北半島の小型イカ釣も好調だった。
7月30日に八戸沖で大中型巻網によるスルメ・サバ混じり操業が開始。同海域の大中型巻網のまとまった漁獲は5年ぶり。今期の同海域の枠は500トンで、8月中旬でほぼ半量消化した。日本海側は6月にまとまったが7月失速。小型イカ釣で獲れているのは金沢港のみ。
水産研究・教育機構の8~12月予報でも、日本海についてはスルメ来遊が悪化する見込み。資源量指標値は過去最低を記録した。
(みなと新聞取材)