まいわしは、まき網では道東沖、八戸沖、三陸沖、常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。道東沖のミール向けを主体とするまき網漁は、1日あたり500~5,600トンを釧路・広尾に水揚げした。7月の水揚量は43,000トンで、前年と比べ、低調に推移した(前年同月比65%)。一方で、常磐沖では漁獲がまとまり、銚子に1日あたり400~3,000トン水揚げし、7月は16,000トンと、前年よりも好調であった(前年同月の11倍)。魚体は45~70g(小中羽~中羽)を中心に70gアップもみられた。また、道東沖では引き続きまいわし棒受網漁が行われたほか、三陸沿岸では定置網による漁獲がみられた。
7月上中旬の主要港における水揚量(以下「7月上中旬の水揚量」という。)は38,000トンで、前月から8%減少し、前年同月から47%減少した。価格は50円/kgで、前月の38%高、前年同月の4%安であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、千葉主体に北海道・鳥取・長崎等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から5%減少し、前年同月から16%増加した。価格は前月の16%安、前年同月の18%安であった。
今後も小型サイズ主体の漁獲が続き、鮮魚サイズの水揚げが少ないとみられ、東京への入荷量は減少し、卸売価格は強含みと見込まれます。
さば類は、まき網では常磐沖、静岡~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。山陰沖では前月に引き続き、まさば主体の漁獲がみられ、魚体は、140~200g(ローソクサイズ)主体であった。九州対馬沖もまさば主体に漁獲され、7月の水揚量は九州各地で前年を上回った。対馬沖のまさばの魚体は160~200g(ローソクサイズ)主体であった。一方、三陸沿岸や富山湾では定置網、伊豆諸島水域ではたもすくい網による漁獲がみられた。
7月上中旬の水揚量は8,000トンで、前月から34%減少し、前年同月から31%増加した。価格は112円/kgで、前月の20%高、前年同月の15%安であった。
消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは宮城・千葉等から、ごまさばは宮城・千葉主体に三重・静岡等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から24%減少し、前年同月から19%減少した。価格は前月の9%高、前年同月の6%高であった。
産地の水揚げは秋季まで低調に推移すると予想され、今後、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。
小型いか釣船は、北海道西~道南、北陸、山陰~九州沖で操業した。まとまった漁獲がみられたのは能登半島沖のみで、全般的に低調な漁模様であった。一方で、太平洋側では、下北半島沖で昼いか釣主体の漁を行い、低調ながらもまとまった漁獲がみられた。7月下旬には、例年どおり八戸沖のまき網漁が解禁となり、するめいかの漁獲がみられた。また、噴火湾の定置網や石巻の小型底曳網でもまとまったほか、少量ではあるものの、前月に引き続き三陸沿岸の定置網による漁獲がみられた。
一方、中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、前月に引き続き、能登半島沖で漁を行った。7月下旬には、太平洋側の昼いか漁の漁獲が好調だったため、下北半島沖に移動して操業した。
7月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は730トンで前月から66%増加し、前年同月から47%増加した。価格は592円/kgで、前月の26%高、前年同月の24%安であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、青森主体に北海道・宮城・石川・福井・長崎等からであった。7月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から12%減少し、前年同月から28%増加した。価格は前月の11%安、前年同月の26%安であった。
今後も全般的に低調な漁模様が続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では三重~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部海域、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。西沖・東シナ海中南部海域ではまあじ主体の漁獲がみられ、東シナ海中南部海域の魚体は120g(小あじ)主体であった。また、三陸沿岸の定置網による漁獲がみられ、石巻を中心に(前月よりも)まとまって水揚げされた。
7月上中旬の水揚量は2,100トンで前月から39%減少し、前年同月から34%増加した。価格は272円/kgで、前月の21%高、前年同月の29%安であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは宮城・長崎主体に岩手・高知・佐賀等、中小あじは宮城・佐賀・長崎等、小・豆あじは三重主体に静岡・高知からであった。7月上中旬の入荷量は前月から9%減少し、前年同月から10%増加した。価格は前月の7%安、前年同月の29%安であった。
引き続き九州を中心とした水揚げがみられると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
かつお近海竿釣り船の主漁場は、千葉県~福島県沖、東北北部沖、伊豆諸島周辺等に形成された。7月上旬前半は、前月に引き続き、びんなが主体にかつお混じりの漁獲だったが、徐々にかつお主体に切り替わった。気仙沼に水揚げされたかつおの魚体は、茨城県沖の漁獲物は1kg、3kg、5kg、6kg前後等の大小混じり、東北北部沖は1~2kg前後主体であった。近海竿釣り船によるかつおの7月の水揚量は、千葉県勝浦が1,300トン(前年同月の3.7倍)と好調に推移する一方で、気仙沼は1,150トン(前年同月比20%)と、前年と比べて低調な漁模様であった。
また、かつお・まぐろまき網漁は、襟裳岬沖や房総~東北沖、駿河湾沖等に漁場が形成され、気仙沼を中心にかつおの水揚げがみられた。気仙沼のまき網によるかつおの水揚量は135トン(前年同月比1,950トン)と、前年同月を下回った。
7月上中旬の生鮮かつおの水揚量は1,600トンで前月から38%増加し、前年同月から71%減少した。価格は539円/kgで、前月の26%安、前年同月の60%高であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮城・千葉主体に伊豆諸島・静岡・鹿児島等からみられた。7月上中旬の入荷量は前月から9%減少し、前年同月から56%減少した。価格は前月の11%高、前年同月の48%高であった。
8月の近海竿釣りはお盆の休漁で出漁隻数が減少することから、東京の入荷量はやや減少し、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
(水産情報部)