まいわしは、まき網では常磐沖、静岡県沖、高知県沖、山陰沖、九州対馬沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。三陸~常磐では銚子を中心に連日、1日あたり600~4,500トンの水揚げが続いた。魚体は25~50g(小羽~小中羽)主体であった。山陰沖もまいわし主体の漁獲で、境港では1日あたり1,000トンを超える水揚げが10日間みられた。魚体は60~70g(小中羽~中羽)主体であった。また、三陸沿岸では定置網によるまとまった漁獲がみられ、石巻主体に水揚げされたほか、富山湾の定置網でも漁獲がみられた。
5月上中旬の主要港における水揚量(以下「5月上中旬の水揚量」という。)は39,000トンで、前月並み、前年同月の3.6倍であった。価格は50円/kgで、前月の7%安、前年同月の47%安であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、鳥取主体に宮城・千葉・石川からであった。5月上中旬の入荷量は前月から24%減少し、前年同月から9%増加した。価格は前月の7%高、前年同月の4%高であった。
今後も三陸~常磐沖中心の漁獲が続くとみられる。道東沖ではまいわし棒受網漁やまき網漁が始まり、産地の水揚量は増加する。今後、東京への入荷量は増加し、入梅いわしの旬を迎え、卸売価格は横ばいと見込まれます。
さば類は、まき網では静岡~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。山陰沖ではまいわし主体にまさばの漁獲がみられ、境港で1日あたり100~800トンの水揚げが続いた。山陰沖の魚体は、140~180g(ローソクサイズ)主体であった。また、前月に引き続き三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網による漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。
5月上中旬の水揚量は5,700トンで、前月から11%減少し、前年同月から35%減少した。価格は93円/kgで、前月の26%安、前年同月の23%安であった。
消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは千葉主体に宮城・神奈川・富山・京都等から、ごまさばは千葉主体に宮城・静岡・三重からであった。5月上中旬の入荷量は前月から11%減少し、前年同月から14%減少した。価格は前月並み、前年同月から24%高であった。
夏場にかけて産地の水揚げは低調に推移するとみられ、今後、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。
小型いか釣船は、北陸や九州沖で操業したものの、全般的に極めて低調であった。5月に入り、例年どおり能登半島沖で操業が始まり、低調ながらも5月下旬以降は漁獲が上向いた。また、三陸各地では底曳網や定置網、富山湾でも定置網による漁獲がみられたものの低調に推移した。
5月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は30トンで前月から8%増加し、前年同月から63%減少した。価格は568円/kgで、前月の30%安、前年同月の36%安であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、長崎主体に富山・石川・福井・山口等からであった。5月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から60%増加し、前年同月から54%増加した。価格は前月の7%高、前年同月並みであった。
6月に入り、北海道でのするめいか漁が解禁されたものの、低調なスタートとなり、資源量の不安が強い。今後、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では三重~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部海域、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。東シナ海ではまあじ主体に漁獲され、唐津や松浦、長崎の水揚量は前月を上回った。対馬沖のまあじの魚体は80~100g(ゼンゴ)主体であった。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網と定置網による漁獲がみられた。
5月上中旬の水揚量は4,200トンで前月の2.6倍、前年同月から30%減少した。価格は256円/kgで、前月の24%安、前年同月の35%高であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは神奈川・静岡・三重・高知・長崎等、中小あじは長崎等、小・豆あじは三重・高知等からであった。5月上中旬の入荷量は前月から27%増加し、前年同月から29%減少した。価格は前月の8%高、前年同月の9%高であった。
今後も九州でまとまった水揚げがみられると予想され、東京への入荷量は横ばい、需要期であることから、卸売価格はやや強含むと見込まれます。
かつお近海竿釣り船の主漁場は、5月上旬は房総沖、伊豆諸島周辺海域、東海地方沖等に形成され、かつお中主体に漁獲した。5月中旬には、常磐~房総沖で例年どおりびんなが漁が始まり、びんなが主体にかつお混じりの漁獲がみられた。また、伊豆諸島周辺海域や八丈島周辺ではかつお大主体に漁獲した。かつおは、千葉県勝浦主体に気仙沼や御前崎に水揚げされた。気仙沼は、びんなが主体の水揚げだったことから、5月のかつおの水揚量は前年同月を下回った。
また、かつお・まぐろまき網漁は、八丈島周辺や伊豆諸島周辺海域でかつおの漁獲がみられ、銚子、千葉県勝浦主体に水揚げされた。
5月上中旬の生鮮かつおの水揚量は1,800トンで前月の2倍、前年同月から9%増加した。価格は491円/kgで、前月の34%安、前年同月の25%高であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、千葉主体に静岡・三重・和歌山・愛媛・高知・宮崎等からみられた。5月上中旬の入荷量は前月の2.6倍、前年同月から5%増加した。価格は前月の24%安、前年同月の10%安であった。
6月に入っても近海竿釣り船によるびんなが主体の漁獲が続いているが、今後、三陸~常磐沖のかつおの漁獲量は増加すると予想され、東京の入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。
(水産情報部)