全国主要漁港における生鮮サバ類(マサバ、ゴマサバ含む)の5月の水揚量は前年同月比35%少ない1万2583トン(速報値)だった。最多は鳥取・境港で5302トン(前年同月比11%減)で、2543トン(同26%増)の長崎・松浦と日本海物が目立った。太平洋側は宮城・石巻が92%減の275トンとなるなど減産が顕著だった。
太平洋系サバ類資源は、政府の直近(2023年漁期)の評価上、前年より65%減っている。以前は巻網で安定生産を誇った千葉・銚子の水揚げは、前年127トンあったが皆無となった。石巻では前年より水温が低かったため、主力である底引網の操業深度より浅場にサバが移動していた可能性もある。
水産研究・教育機構によると今年、太平洋系マサバの1~2歳魚は近年平均より少ないもよう。23年漁期の漁獲実績より大きな漁獲可能量(TAC)が7月以降設定されるが、消化できるか不明だ。
近年、環境条件に恵まれ、卵や仔稚魚の生き残りが多い日本海側の群(対馬暖流系)が5月も水揚げの主役に。未成熟な1歳魚が中心で1歳魚は前年より小型。大型魚も前年より少なかった。
(みなと新聞取材)