5月の全国主要港における生鮮マイワシ水揚量は前年同月から3・5倍近い5万1127トンだった。前年はしけが多かったことを加味しても豊漁と言え、平年並みに戻った。
単価は前年のキロ97円、前々年の89円を大きく下回る46円。原因としてペルーアンチョビー(カタクチイワシ)の2023年4~8月の禁漁~解禁後しばらくは影響が続いたが、今年に入り落ち着いたためと推測する。
主漁場は犬吠埼沖―三陸南部と山陰で漁法は巻網。主力の千葉・銚子は前年同月の6・1倍となる2万6822トン、鳥取・境港が2・1倍の9821トン、宮城・石巻が2・3倍の7654トンを水揚げした。体重組成は犬吠―鹿島灘の1そう巻網で50~55グラムが多く、山陰の中型巻網では65グラムが中心。石巻の定置では45~50グラムが多い。
今後は水温の上昇で漁場・水揚げ港が北上する季節の上、近年は温暖化でマイワシの北上が早期化しているが、今年の三陸・常磐の水温は前年、前々年より低くなる可能性が高い。三陸北部、道東の漁場形成が平年並みに戻ることも考えられる。
(みなと新聞取材)