トピックス

2025年05月29日
トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1363 記事一覧

3月の概況と4月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では常磐沖、静岡県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(毎沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。三陸~常磐では銚子を中心に1日あたり2,300~3,600トンの水揚げが8日間みられた。魚体は40~65g(小中羽~中羽)主体であった。山陰沖もまいわし主体の漁獲で、境港では1日あたり1,000トンを超える水揚げが5日間みられた。魚体は45~65g(小中羽)主体であった。また、三陸沿岸の定置網による漁獲がみられ、石巻主体に水揚げされたほか、富山湾の定置網でもまとまった漁獲がみられた。

4月上中旬の主要港における水揚量(以下「4月上中旬の水揚量」という。)は38,000トンで、前月から35%増加し、前年同月から27%減少した。価格は54円/kgで、前月の12%安、前年同月の32%安であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、石川・鳥取主体に宮城・千葉・新潟・富山等からであった。4月上中旬の入荷量は前月並み、前年同月から11%減少した。価格は前月の4%安、前年同月並みであった。

三陸~常磐沖で北上群の漁獲が本格化するのは入梅の頃と予想される。今後、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では常磐沖、静岡~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。対馬沖では、まさば主体の漁獲がみられ、松浦や枕崎の水揚量は前月、前年同月を上回った。対馬沖の魚体は140~180g(ローソクサイズ)主体であった。また、前月に引き続き三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網による漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。

4月上中旬の水揚量は6,400トンで、前月並み、前年同月から14%減少した。価格は125円/kgで、前月の4%高、前年同月の14%高であった。

消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは宮城・千葉主体に静岡・長崎等から、ごまさばは千葉・静岡・三重からであった。4月上中旬の入荷量は前月から12%増加し、前年同月から5%減少した。価格は前月の14%安、前年同月の14%高であった。

産地の水揚げは低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、産卵後の身質の低下から、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

するめいか

小型いか釣船は、山陰~九州沖を中心に操業したものの、極めて低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網、富山湾でも定置網による漁獲がみられたものの低調に推移した。

4月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は27トンで前月から51%減少し、前年同月から38%減少した。価格は812円/kgで、前月の20%安、前同月の7%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山・長崎主体に静岡・新潟・鳥取からであった。4月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から24%減少し、前年同月から40%減少した。価格は前月の4%安、前年同月の7%高であった。

例年、5月に入ると能登半島沖に漁場が形成され、小型サイズ主体に水揚げされるものの、全国的に低調な水揚げが続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では三重~高知県沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部海域、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。東シナ海では、ぶりやさば類主体の漁獲だったものの、4月に入り、九州各地のまあじの水揚量は増加し始めた。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網と定置網による漁獲がみられた。

4月上中旬の水揚量は1,600トンで前月の3倍、前年同月から55%減少した。価格は337円/kgで、前月の17%安、前年同月の52%高であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは神奈川・三重・高知・佐賀・長崎等、中小あじは神奈川・静岡・三重・高知・長崎等、小・豆あじは三重・高知等からであった。4月上中旬の入荷量は前月から39%増加し、前年同月から50%減少した。価格は前月の25%安、前年同月の16%高であった。

今後も産地の水揚げは低調に推移するものの、徐々に増加すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

かつお

かつお近海竿釣り船の主漁場は、4月上中旬は静岡県沖に形成され、かつお大主体に漁獲した。漁場の南西諸島からの北上時期は、前年よりも早かった。その後は房総南東沖に移り、かつお中主体に漁獲した。千葉県勝浦主体に水揚げされ、勝浦や御前崎の水揚量は前年同月を上回った。

4月上中旬の生鮮かつおの水揚量は910トンで前月の2.6倍、前年同月から6%増加した。価格は744円/kgで、前月の32%高、前年同月の45%高であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、千葉主体に静岡・和歌山・三重・宮崎・鹿児島等からみられた。4月上中旬の入荷量は前月から49%増加し、前年同月から46%減少した。価格は前月の26%安、前年同月の14%高であった。

今後、産地の水揚量が増加すると予想され、東京の入荷量は増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

(水産情報部)

このページのトップへ
続きはこちらから