4月における生鮮天然ブリ類(イナダ、ワラサを含む)の全国主要港水揚量(速報値)は前年同月比20%減の4600トンだった。漁場が薩南諸島―沖縄諸島と遠方で、燃油高騰の影響もあり、漁場の近い対馬・五島沖でイワシやサバの好漁が続いたのも要因ではないか。
3~4月の漁場は薩南諸島や沖縄諸島西方、五島沖で、大中型巻網が漁獲。漁港別の水揚量は長崎が13%減の2679トン、松浦(長崎)が32%減の1051トンと減少した。枕崎(鹿児島)は13倍の478トンと伸長した。
同種における水揚げデータのカバー率は巻網を中心に4割程度で、定置網は大部分が含まれていない。和歌山、徳島の両県水産試験場の公表値をみなと新聞が集計したところ、定置網のブリ漁獲量は和歌山が4月4日~5月1日で258トン、徳島が3月31日~4月27日で81トンだった。
5月に入り、産卵を終えたブリは北海道に向けて北上中。5月中旬は山口や京都・舞鶴、能登半島、佐渡の定置網でも獲れ始めた。
(みなと新聞取材)