全国主要港での4月の生鮮マイワシ水揚量は前年同月比28%少ない5万1955トンだった(5月1日時点の速報値)。巻網を主力とする銚子(千葉)が前年同月比27%減の2万1896トン、境港(鳥取)が24%減の1万3060トン、石巻(宮城)が19%増の6751トンを揚げた。
銚子、石巻など太平洋側の主漁場は犬吠埼沖―三陸南部。福島沖は35~65グラムが中心サイズで特に40グラム前後が多く、犬吠埼海域は40~70グラム程度が中心で特に50グラム前後が目立った。
水産研究・教育機構の予報では、犬吠埼―三陸南部の漁場形成は5月くらいまで続き、6月から三陸北部、6月下旬には道東にも漁場ができる見通し。
なお、マイワシ太平洋系群の2023年の親魚量は279万トンと生物学上の目標119万トンを上回るが、同年の漁獲はロシアの操業拡大(54万トン)などで135万トンと、持続可能な水準の2倍超。今後には注意がいる。
境港をはじめ日本海側の水揚げは山陰沖中心。サイズは50~60グラムが目立っていた。同機構によるとマイワシ対馬暖流系群の資源量は19年から増加しており、今年9月までの日本海への来遊も前年を上回ると予想される。
(みなと新聞取材)