トピックス

2025年04月30日
トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1359 記事一覧

3月の概況と4月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では三陸~常磐沖、静岡~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。三陸~常磐では1日あたり2,300~4,300トンの水揚げが8日間みられた。銚子を中心に水揚げされ、魚体は35~65g(小羽~中羽)主体であった。山陰沖もまいわし主体の漁獲がみられ、境港では1日あたり1,000トンを超える水揚げが9日間みられた。魚体は50g前後(中羽)主体であった。また、三陸沿岸の定置網による漁獲がみられ、石巻主体に水揚げされたほか、富山湾の定置網でもまとまった漁獲がみられた。

3月上中旬の主要港における水揚量(以下「3月上中旬の水揚量」という。)は28,000トンで、前月から21%増加し、前年同月から3%減少した。価格は61円/kgで、前月の5%安、前年同月の19%安であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、石川・鳥取主体に宮城・千葉・富山等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から13%減少し、前年同月から22%減少した。価格は前月の5%高、前年同月並みであった。

今後も、常磐沖ではまとまった漁獲がみられるものの、鮮魚サイズの水揚げは少ないとみられる。一方で、山陰沖や富山湾の漁獲は好調に推移すると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では常磐沖、静岡~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。常磐沖や山陰沖はまいわし主体で、さば類の漁獲は低調であった。対馬沖では、まさば・まいわし主体の漁獲がみられたものの、九州各地のさば類の水揚量は前月を下回った。魚体は100~180g(ローソクサイズ)主体であった。また、少量ではあるものの、前月に引き続き三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網による漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。

3月上中旬の水揚量は6,400トンで、前月から48%減少し、前年同月から27%増加した。価格は120円/kgで、前月の13%安、前年同月の9%安であった。

消費地(東京)における さば類の入荷先は、まさばは宮城・千葉・静岡・長崎等から、ごまさばは千葉・静岡・三重等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から12%減少し、前年同月から23%減少した。価格は前月の11%安、前年同月の21%高であった。

今後、産地の水揚げは低調に推移するとみられ、東京への入荷量はやや減少するものの、産卵の盛期に入り、身質が低下することから、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣船は、能登半島沖、山陰~九州沖で操業したものの、極めて低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網、富山湾でも定置網による漁獲がみられたものの低調に推移した。

3月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は50トンで前月から50%減少し、前年同月から53%減少した。価格は995円/kgで、前月の8%高、前同月の22%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に新潟・鳥取・島根等からであった。3月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から61%増加し、前年同月並みであった。価格は前月の8%安、前年同月並みであった。

今後も全国的に低調な水揚げが続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では常磐沖、三重~高知県沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。九州西沖ではまあじ主体の漁獲だったものの、九州各地の水揚げは例年と比べて低調に推移した。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網と定置網による漁獲がみられた。

3月上中旬の水揚量は530トンで前月から69%減少し、前年同月から79%減少した。価格は404円/kgで、前月の55%高、前年同月の38%高であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは三重・高知・長崎等、中小あじは三重・宮城等、小・豆あじは三重・高知等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から43%減少し、前年同月から50%減少した。価格は前月の17%高、前年同月の29%高であった。

今後も産地の水揚げは低調に推移すると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

かつお

今期のかつお近海竿釣り船は2月に入り出漁した。主漁場は、3月上旬まで硫黄島南方に形成され、かつお特大主体の漁獲がみられた。千葉県勝浦主体に水揚げされたものの、全般的には低調なスタートとなった。3月中旬以降は、近年1~3月に漁場となる沖縄~南西諸島周辺に主漁場が移った。かつお大・特大主体に漁獲し、鹿児島を中心に水揚げされた。

3月上中旬の生鮮かつおの水揚量は360トンで前月の3倍、前年同月から26%減少した。価格は562円/kgで、前月の18%安、前年同月並みであった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮崎・鹿児島主体に千葉・静岡・和歌山・三重・愛媛等からみられた。3月上中旬の入荷量は前月の8倍、前年同月から36%減少した。価格は前月並み、前年同月の42%高であった。

今後、産地の水揚量が増加すると予想され、東京の入荷量は増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

(水産情報部)

このページのトップへ
続きはこちらから