全国主要港における2月の生鮮マイワシ水揚量は前年同月比1%少ない4万684トンだった。3月(13日時点の速報値)は2万4329トンで前年(3月トータル5万2094トン)と同水準で、巻網を主力とする銚子(千葉)が1万399トン、境港(鳥取)が6029トンを揚げている。
3月、銚子の魚体は40~80グラム中心で「しけから漁船が出づらい」と市場関係者。海況が落ち着けば獲れそうな状況ながら「福島沖にあった漁場が、今週(3月2週目)くらいから鹿島沖辺りに移動しており、このまま産卵場に南下していく可能性もある」という。魚群がいつまで犬吠埼以北の漁場にとどまるかが、今後の漁模様を左右しそうだ。
現状で魚群はまとまっており、国の資源評価でも、マイワシ太平洋系群の直近(2023年)の親魚量は279万トンと、生物学上の目標119万トンを上回る。一方で同年の漁獲は、ロシアの操業拡大(54万トン)などで135万トンと、持続可能な水準の2倍超の過剰漁獲状態。資源量の動向には注意が要る。
境港は対馬暖流系の群を獲るが、3月の魚体は40~80グラム中心で銚子と同水準だ。
(みなと新聞取材)