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2025年02月04日
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vol.1345 記事一覧

12月の概況と1月の見通し

まいわし

まいわしは、南下群を対象に三陸~常磐沖にまき網の主漁場が形成された。道東~三陸海域の水温が高かったことにより、主群の南下が1ヵ月程度遅れたため、12月の水揚量は、前年に実績のなかった銚子が21,000トン、八戸が8,500トン(前年比230倍)、石巻が7,000トン(前年比86倍)、波崎が6,000トン(前年実績なし)と、例年になく好調であった。魚体は40~70g主体で、脂乗りのよいものもみられた。また、道東沖ではたもすくい網(12月中旬で今期終漁)、三陸では定置網によるまとまった漁獲がみられた。

12月上中旬の主要港における水揚量(以下「12月上中旬の水揚量」という。)は32,000トンで、前月の9倍、前年同月の74倍であった。価格は75円/kgで、前月の19%安、前年同月の58%安であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、岩手主体に北海道・宮城・千葉からであった。12月上中旬の入荷量は前月の2.7倍、前年同月の1.9倍であった。価格は前月の19%安、前年同月の21%安であった。

今後も三陸~常磐沖を中心にまとまった漁獲が続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では三陸~常磐沖、静岡~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。前月好調だった三陸~常磐沖では、12月もさば類の漁獲がみられたものの、中旬以降はまいわし主体の漁に切り替わり、水揚量は徐々に減少した。一方、対馬沖ではさば類主体に漁獲され、松浦の水揚量は前年、前月を上回った。魚体は300~500g主体に120~140gが混じった。また、前月に引き続き三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網によるまとまった漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。

12月上中旬の水揚量は15,400トンで、前月から13%増加し、前年同月から5%減少した。価格は200円/kgで、前月の16%高、前年同月の13%高であった。

消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは宮城主体に岩手・千葉・新潟・長崎等から、ごまさばは岩手・宮城・千葉・三重・長崎等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から13%増加し、前年同月から8%増加した。価格は前月の20%高、前年同月の30%高であった。

今後、三陸~常磐沖は低調に推移するものの、東シナ海は引き続きさば類主体の漁獲が続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣船の漁場は、日本海側では北海道西~道南~山形に、太平洋側では北海道東~青森県~岩手県沖に形成されたものの、極めて低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網による漁獲がみられた。

中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、前月に引き続き大和堆周辺に漁場が形成されたものの、低調なまま12月前半で漁が途切れ、大半の船が今期の操業を切り上げた。

12月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は176トンで前月から76%減少し、前年同月から50%減少した。価格は1,173円/kgで、前月の23%高、前年同月の8%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、北海道・青森主体に宮城・石川・三重・長崎等からであった。12月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から47%減少し、前年同月から28%減少した。価格は前月の23%高、前年同月の8%高であった。

今後も全国的に低調な水揚げが続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では常磐沖、三重~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎・鹿児島)等で漁獲された。前月に引き続き、山陰や九州を中心とした漁獲がみられた。沿岸部(境港、長崎)では比較的好調な水揚げが続いた一方で、対馬沖はさば類主体にまあじ混じりの漁獲だったことから、松浦の水揚量は前年、前月を下回った。常磐沖ではまいわし主体の漁獲にまあじが混じり、銚子の水揚量は前年、前月を上回った。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網と定置網による漁獲がみられた。

12月上中旬の水揚量は3,300トンで前月から70%増加し、前年同月から6%増加した。価格は202円/kgで、前月の18%安、前年同月の21%安であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは富山・長崎主体に宮城・千葉・鳥取・高知等、中小あじは宮城・千葉等、小・豆あじは三重・岩手等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から32%増加し、前年同月から28%増加した。価格は前月の7%安、前年同月の13%安であった。

今後も山陰や九州を中心に水揚げされるものの、引き続きさば類主体の漁獲となると予想され、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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