2024年の全国主要港における生鮮マダラ水揚量は3万2019トンで前年比3%増、過去4年の平均比では6%減と北海道を中心に安定していた。水揚げが例年ピークの1月に入り、昨年内は低調だった三陸沖も水温低下で上向いている。
同魚種は北海道太平洋と同日本海系群の資源量が増加傾向。24年は全国主要港の全体水揚げのうち道東が54%を占め、北海道全体では87%を占めた。市場別でも北海道・釧路が全国水揚げの22%を占め、歯舞12%、小樽11%、花咲・羅臼が10%ずつと続いた。
今年1月は23日時点の速報値で1317トン、前年同期比23%減だが釧路の水揚げ好調に加え、昨年は三陸沖の黒潮系北上暖水の影響で低調だった岩手・宮古と宮城・石巻が好調に転じている。親潮第1分枝が三陸沿岸に差し込んだ水温の低下が要因。沖合底引網の他、産卵回遊期で接岸する個体を刺網や延縄でも獲る。
昨年7月に漁獲可能量(TAC)管理が始まった同魚種4系群。27年に開始予定のステップ3までに加入増が見られればTACの見直しも検討される。
(みなと新聞取材)