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2024年06月18日
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vol.1319 記事一覧

5月の概況と6月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では三陸~常磐沖、三重県~四国沖、山陰沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。三陸~常磐沖では、銚子主体に1千トンを超える水揚げが2日間みられたものの、5月の水揚量は前月・前年同月を下回った。銚子のまいわしの魚体は60~65gの中羽主体であった。山陰沖では、まさば・まいわし主体に漁獲され、境港で1日あたり170~870トンの水揚げが続き、5月の水揚量は前月を下回ったものの、前年同月の6.3倍であった。また、三陸では定置網や底曳網による漁獲もみられたが、好調だった前年同月を下回った。北陸の富山湾でも定置網による漁獲がみられた。

5月上中旬の主要港における水揚量(以下「5月上中旬の水揚量」という。)は1万1千トンで、前月から79%減少し、前年同月から66%減少した。価格は95円/kgで、前月の14%高、前年同月の3%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、鳥取主体に岩手・宮城・千葉・長崎等からであった。5月上中旬の入荷量は前月から38%減少し、前年同月から35%減少した。価格は前月の3%高、前年同月の11%高であった。

三陸~常磐沖では今後もまいわし主体の漁獲が続くとみられる。また、道東沖ではまいわし棒受網漁やまき網漁が始まる。東京への入荷量は増加し、入梅いわしの旬を迎え、卸売価格は高値・横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では常磐沖、静岡県~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。山陰沖ではまさば主体に漁獲され、境港で1日あたり100~800トンの水揚げが続いた。東シナ海では、まあじ主体にまさば、ごまさばも漁獲され、松浦主体に水揚げされた。また、三陸で底曳網や定置網でまとまった漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。

5月上中旬の水揚量は8千900トンで、前月から24%増加し、前年同月並みであった。価格は120円/kgで、前月の9%高、前年同月の3%高であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは千葉主体に宮城・静岡・長崎等から、ごまさばは千葉主体に宮城・静岡等からであった。5月上中旬の入荷量は前月並み、前年同月から22%増加した。価格は前月、前年同月の8%安であった。

今後、夏場にかけて産地の水揚げは低調に推移すると予想される。東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

するめいか

小型いか釣船の漁場は、秋田~山形~北陸~山陰~九州北部の広範囲に形成されたものの、水揚げは全般的に極めて低調であった。5月中旬から能登半島沖で操業が始まったものの、1日あたりの操業隻数・水揚げ箱数は不漁であった前年同月よりも少なく、低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網、富山湾では定置網による漁獲がみられた。

5月上中旬の生鮮するめいかの水揚量(富山湾の定置網は除く)は78トンで前月の2.2倍、前年同月から8%減少した。価格は832円/kgで、前月の20%高、前年同月の53%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に福井・鳥取・長崎等、活物は千葉からであった。5月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から37%減少し、前年同月から9%減少した。価格は前月の14%高、前年同月並みであった。

6月に入り、北海道でのするめいか漁が解禁され、産地の水揚量は徐々に増加すると予想されるが、資源量の不安が強い。今後、生鮮物の東京への入荷量はやや増加するものの、全国的に水揚量が少ないことから、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。東シナ海ではまあじ主体に漁獲され、水揚量は九州各地で前年同月を上回った。九州対馬沖・西沖ともに魚体は、200~220g主体であった。また、少量ではあるものの引き続き三陸の底曳網・定置網による漁獲がみられた。

5月上中旬の水揚量は6千100トンで前月から72%増加し、前年同月から59%増加した。価格は189円/kgで、前月の15%安、前年同月の22%安であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは福岡・佐賀・長崎主体に神奈川・静岡・和歌山・島根・鹿児島等、中小あじは島根等、小・豆あじは三重主体に宮城・京都・高知等からであった。5月上中旬の入荷量は前月から11%減少し、前年同月から30%増加した。価格は前月の15%高、前年同月の11%安であった。

今後も九州を中心とした水揚げが続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、需要期であることから卸売価格は強含みで推移すると見込まれます。

かつお

かつお近海竿釣り船の主漁場は、5月上旬~中旬前半は伊豆諸島周辺海域や南西諸島周辺海域、和歌山県~高知県沖等に形成された。群れの北上が例年よりも遅れたものの、5月中旬後半~下旬には常磐沖に主漁場が形成された。漁場が北上したことから、千葉県勝浦の5月の水揚量(1千800トン)は前月の4.5倍となった。また、気仙沼では前年よりも5日遅い5月21日に今季の初水揚げがあった。魚体は、伊豆諸島周辺海域、和歌山県~高知県沖ではかつお大主体、南西諸島周辺海域、常磐沖ではかつお小主体であった。近海竿釣り船では、例年はこの時期にびんながが漁獲されるものの、5月の水揚量は740トンで、前年同月の9%にとどまった。

また、かつお・まぐろまき網漁は、八丈島周辺海域や遠州灘~熊野灘沖、房総南東沖でかつおを漁獲し、気仙沼や銚子、千葉県勝浦等に水揚げした。

5月上中旬の生鮮かつおの水揚量は1千600トンで前月から93%増加し、前年同月から25%減少した。価格は393円/kgで、前月の23%安、前年同月の18%安であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、千葉主体に宮城・伊豆諸島・静岡・三重・和歌山・愛媛・高知・宮崎・鹿児島等からみられた。5月上中旬の入荷量は前月から34%増加し、前年同月から4%減少した。価格は前月の4%安、前年同月の49%高であった。

今後、漁場がさらに北上し、常磐沖の水揚げが本格化すると予想される。漁獲がびんながに向かうと、かつおの水揚量に変化があるものの、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

(水産情報部)

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