5月の生鮮釣カツオ水揚量は、22日時点で前年同期比20%減の1612トンで推移している。春漁の本格化が遅れていることについて、群れの北上が例年より遅い傾向があるとみている。1日1隻当たり漁獲量は昨年より少ないが、不漁だった2022年のような状況ではないとし、直近ではカツオが北上しやすい海況になっている。
同日時点の5月水揚量を産地別にみると、房州勝浦(千葉)が8%減の1071トン、鹿児島が42%減の432トン。気仙沼(宮城)は21日に初入港があり、22日と合わせて62トンを記録。前年5月水揚量33トンを上回った。
5月上旬の漁場は和歌山沖―伊豆諸島海域の黒潮沿いだった。中型船は今年の春先も去年と同様、南西諸島周辺で操業したが、徐々に漁場が東に移動しているという。産地は鹿児島や四国が春先は多かったが、房州勝浦への水揚げが増加しつつある。
直近の漁場は伊豆諸島海域となっている。黒潮続流の流路を見ると、常磐―三陸南部の比較的沿岸寄りを北上しており、この暖水でカツオが北上しやすい海の状況になっている。6月は房総―常磐沖での漁場形成が期待される。
(みなと新聞取材)