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2024年05月23日
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vol.1309 記事一覧

4月の概況と5月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では三陸~常磐沖、静岡県沖、山陰沖、九州対馬沖、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。三陸~常磐では1日あたり1千800~5千200トンの水揚げが10日間みられ、銚子主体に水揚げされた。銚子のまいわしの魚体は、35~80gの小羽~中羽主体であった。山陰沖でもまいわし主体に漁獲され、境港で1日あたり100~1千トンの水揚げが続いた。魚体は55~80gの小中羽~中羽主体であった。また、三陸では定置網や底曳網による漁獲もみられ、石巻主体に連日100~500トン水揚げされた。北陸の富山湾でも定置網による漁獲がみられた。

4月上中旬の主要港における水揚量(以下「4月上中旬の水揚量」という。)は5万2千トンで、前月から78%増加し、前年同月から58%増加した。価格は83円/kgで、前月の12%高、前年同月の14%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、鳥取主体に青森・千葉・富山・京都等からであった。4月上中旬の入荷量は前月から12%減少し、前年同月から11%減少した。価格は前月並み、前年同月の16%高であった。

三陸~常磐沖で北上群の漁獲が本格化するのは入梅の頃と予想され、水揚量は徐々に増加するものの、今後も鮮魚で流通する大型サイズが少ないとみられる。東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では静岡県~四国沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。東シナ海では、対馬沖・西沖はまさば主体に漁獲され、水揚量は福岡や唐津、松浦等で前月を上回った。魚体は、対馬沖は200g台および400~500台g主体、西沖は300gおよび500g前後主体であった。また、三陸で底曳網や定置網でまとまった漁獲がみられたほか、富山湾では定置網、伊豆諸島ではたもすくい網による漁獲がみられた。

4月上中旬の水揚量は6千900トンで、前月から43%増加し、前年同月から16%減少した。価格は109円/kgで、前月の15%安、前年同月の9%高であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは宮城・長崎主体に千葉・静岡・石川・京都等から、ごまさばは千葉主体に宮城・三重・高知等からであった。4月上中旬の入荷量は前月から9%減少し、前年同月から15%増加した。価格は前月の9%安、前年同月並みであった。

今後、東京への入荷量は横ばい、産卵後の身質の低下から卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

するめいか

小型いか釣船の漁場は、山陰~九州北部に形成されたものの、水揚げは全般的に極めて低調であった。また、三陸各地では底曳網、富山湾では定置網による漁獲がみられた。

4月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は35トンで前月から65%減少し、前年同月から18%増加した。価格は693円/kgで、前月の13%安、前年同月の6%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に石川・山口・長崎等であった。4月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から25%増加し、前年同月から16%減少した。価格は前月の12%安、前年同月の9%高であった。

例年、5月に入ると能登半島沖で小型サイズ主体に水揚げされ始める。今後、生鮮物の東京への入荷量はやや増加するものの、全国的に水揚量が少ないことから、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では常磐沖、三重県~高知県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。東シナ海中南部ではまあじ・ぶり主体に、対馬沖・西沖ではまさば主体にまあじが漁獲され、九州各地の水揚量は前月・前年同月を上回った。魚体は、東シナ海中南部は100g台主体、対馬・西沖は200g前後主体であった。また、少量ではあるものの引き続き三陸の底曳網・定置網による漁獲がみられた。

4月上中旬の水揚量は3千500トンで前月から39%増加し、前年同月から53%増加した。価格は220円/kgで、前月の24%安、前年同月の25%安であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは佐賀・長崎主体に静岡・三重・和歌山・高知・福岡・鹿児島等、中小あじは神奈川・高知等、小・豆あじは三重・高知主体に宮城・京都等からであった。4月上中旬の入荷量は前月から41%増加し、前年同月から28%増加した。価格は前月の17%安、前年同月並みであった。

今後、盛漁期となり、産地の水揚げが本格化すると予想され、東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みで推移すると見込まれます。

かつお

かつお近海竿釣り船の主漁場は、4月上旬前半は前月と同様、南西諸島周辺海域に形成され、その後は伊豆諸島周辺海域に移った。南西諸島周辺ではかつお極小主体、伊豆諸島周辺では4月上旬はかつお大・特大、中~下旬は極小主体に漁獲した。鹿児島・千葉県勝浦主体に水揚げされたものの、いずれも水揚量は前年同月を下回った。また、高知県~宮崎県の沿岸でも操業がみられた。

4月上中旬の生鮮かつおの水揚量は860トンで前月から79%増加し、前年同月から44%減少した。価格は512円/kgで、前月の8%安、前年同月の13%高であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、鹿児島主体に伊豆諸島・静岡・三重・和歌山・愛媛・高知・宮崎等からみられた。4月上中旬の入荷量は前月から78%増加し、前年同月から35%増加した。価格は前月の8%安、前年同月の38%高であった。

今後、産地の水揚量は増加すると予想され、東京の入荷量は増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。

(水産情報部)

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