まいわしは、まき網では三陸~常磐沖、静岡県~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。三陸~常磐では1日あたり1千300~5千600トンの水揚げが6日間みられ、銚子主体に水揚げされた。銚子に水揚げされたまいわしの魚体は、35~40gの小羽~小中羽主体であった。山陰沖ではまいわし主体に漁獲され、連日境港でまとまった水揚げがみられた。魚体は50~75gの小中羽~中羽主体であった。また、三陸では定置網や底曳網による漁獲もみられ、石巻主体に水揚げされた。北陸の富山湾でも定置網による漁獲がみられた。
3月上中旬の主要港における水揚量(以下「3月上中旬の水揚量」という。)は2万9千トンで、前月から19%減少し、前年同月から45%減少した。価格は75円/kgで、前月の20%安、前年同月の33%高であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、鳥取主体に宮城・静岡・富山等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から4%増加し、前年同月から7%減少した。価格は前月の8%高、前年同月の15%高であった。
今後も三陸~常磐沖は鮮魚で流通する大型サイズの水揚げが少ないとみられる一方で、富山湾や境港の水揚げは好調に推移すると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。
さば類は、まき網では静岡県~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。2月の漁獲の中心であった山陰沖は、まいわし主体で、さば類の漁獲は低調であった。東シナ海では、対馬沖はまいわし・まさば主体、西沖はまさば・まあじ主体に漁獲されたものの、九州各地の水揚量は前月を下回った。対馬沖のまさばの魚体は400g前後が主体であった。また、三陸では底曳網や定置網、富山湾では定置網によるまさばの漁獲がみられたほか、伊豆諸島周辺水域ではたもすくい網によりごまさばが漁獲された。
3月上中旬の水揚量は4千800トンで、前月から77%減少し、前年同月から18%減少した。価格は129円/kgで、前月の5%高、前年同月の4%高であった。
消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは宮城・長崎主体に千葉・富山・和歌山等から、ごまさばは千葉主体に宮城・三重・高知等からであった。3月上中旬の入荷量は前月・前年同月並みであった。価格は前月並み、前年同月の6%安であった。
今後も産地の水揚げは低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量はやや減少するものの、産卵の盛期に入り、身質が低下することから、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
小型いか釣船の漁場は、日本海側の北陸、山陰~九州北部に形成されたものの、水揚げは全般的に極めて低調であった。三陸各地では底曳網や定置網による漁獲がみられたものの、2月に引き続き、やりいか主体であった。また、富山湾でも定置網による漁獲がみられ、水揚量は前月を上回ったものの、前年同月を下回った。
3月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は102トンで前月から25%増加し、前年同月から76%増加した。価格は796円/kgで、前月の21%安、前年同月の3%安であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に新潟・石川・富山等、活物は千葉・新潟・三重であった。3月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月並み、前年同月から34%減少した。価格は前月並み、前年同月の19%高であった。
今後も、漁の端境期で産地の水揚げは低調に推移するとみられ、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では常磐沖、三重県~高知県沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。全般的に低調であったものの、九州西沖では、まあじ・まさば主体に水揚げされ、唐津・松浦・長崎の水揚量は前月を上回った。九州西沖の魚体は180g前後の中小~中サイズ主体であった。また、少量ではあるものの引き続き三陸の底曳網・定置網による漁獲がみられた。
3月上中旬の水揚量は2千500トンで前月から55%増加し、前年同月の2.3倍であった。価格は290円/kgで、前月の3%安、前年同月の29%安であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に静岡・三重・高知・佐賀・大分・鹿児島等、中小あじは三重・和歌山・高知等、小・豆あじは三重主体に高知・宮城等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から34%増加し、前年同月から25%増加した。価格は前月の8%安、前年同月並みであった。
今後、盛漁期に入り、産地の水揚量が徐々に増加すると予想され、東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みで推移すると見込まれます。
今期のかつお近海竿釣り漁は1月下旬頃から始まった。主漁場は、2月上旬は硫黄島南東海域に形成され、かつお大主体に千葉県勝浦に水揚げした。2月中旬以降は、硫黄島南東海域の漁獲が低調となり、近年1~3月に漁場となる南西諸島周辺海域に主漁場が移った。かつお大主体の漁獲で、鹿児島主体に水揚げされた。3月も南西諸島周辺海域に主漁場が形成され、上旬~中旬はかつお小主体、中旬~下旬はかつお特大主体に、鹿児島を中心に水揚げされた。また、高知県~宮崎県の沿岸でも操業がみられた。
3月上中旬の生鮮かつおの水揚量は699トンで前月の1.8倍、前年同月から27%減少した。価格は522円/kgで、前月の10%高、前年同月の20%高であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、愛媛・鹿児島主体に伊豆諸島・三重・和歌山・高知・宮崎等からみられた。3月上中旬の入荷量は前月から75%増加し、前年同月から30%減少した。価格は前月の16%高、前年同月の42%高であった。
今後、産地の水揚量が増加すると予想され、東京の入荷量は増加し、卸売価格はやや弱含むと見込まれます。
(水産情報部)