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2024年03月29日
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vol.1297 記事一覧

2月のスルメイカ漁況について

1.全国の生鮮スルメイカの水揚動向と価格

JAFIC主要港における生鮮スルメイカ(全国)の2月の水揚量は103トンで、前月(156トン)の65%、前年同期(212トン)の49%であった。1月に続いて2020年以降で最低であった(図1, 2)。

2月の価格は969円/kgで、前月(918円/kg )の106%、前年同期(713円/kg )の136%であった。1月に続いて2020年以降で最高であった(図3)。

2.海域別の生鮮スルメイカの水揚動向

2月の水揚量は福島~愛媛は前月並みだが、他の海域で前月を下回った。スルメイカの産卵期を反映して極めて低水準であったが、地区別には三陸が多かった(図4)。三陸のスルメイカには冬季以外の発生群が含まれている可能性がある。

また、2月の水揚量の前年比は、青森は前年を上回ったが水揚量は少なかった(図5)。福島~愛媛は前年並みで、他の海域は前年を大きく下回った。例年1~3月は寿命が近い特大サイズが富山湾で短期的にまとまって漁獲されるが、本年は低調であった。

3.全国の冷凍スルメイカの水揚動向と価格

2月の水揚量は163トンで、前月(113トン)の144%、前年同期(56トン)の292%であった(図6)。漁場は対馬~山陰沖に形成され、2月末で全船が切り上げた。2月の価格は1,966円/kgで、前月(1,942円/kg )の101%、前年同期(1,338円/kg )の147%で、2月としては2020年以降で最高であった(図7)。

4.生鮮ヤリイカの水揚動向

全国の生鮮ヤリイカの2月の水揚量は530トンで、前月(631トン)の84%、前年同期(297トン)の178%と、2020年以降で最高であった(図8)。生鮮ヤリイカの2月の価格は676円/kgで、前月(753円/kg )の90%、前年同期(900円/kg )の75%で、2月としては2020年以降で2番目に低かった(図9)。

生鮮ヤリイカのJAFIC主要港の水揚量を地域別にみると、三陸(特に石巻)が主体で、前年同期比250%であった(図10)。

5.まとめと今後の動向等について

生鮮スルメイカの2月の全国水揚量は103トンで、資源状態を反映し、1月に続いて2020年以降で最低であった。産卵期のため前月よりさらに減少した。地区別にみると、本年は三陸が多かったが、三陸の魚群には冬季以外の発生群が含まれている可能性がある。中型いか釣り(冷凍)は対馬東~山陰沖で操業し、2月末で全船が切り上げた。2月の水揚量(163トン)は前年を上回ったが低調であった。スルメイカ価格は生鮮・冷凍とも、2月としては2020年以来最高であったが、2023年12月には及ばなかった。

生鮮ヤリイカの2月の全国水揚量(530トン)は前年同期(297トン)の178%で、2020年以降で最高であった。水揚の主体は三陸であった。2月の価格は676円/kgで、前年同期(900円/kg )の75%と、2020年以降で2番目に低かった。

3月のスルメイカは引き続き低調に推移するとみられ、ヤリイカの水揚量も例年2月を下回る。そのため、生鮮いか類の供給がさらに減少すると考えられる。

(水産情報部)

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