JAFIC主要港におけるマイワシ(全国)の2024年2月の水揚量は39,763トンで、前月の37,736トン並みで、前年同月を下回った。価格は91円/kgで、前月を下回ったが、前年同月を上回り、2020年以降でも最も高値であった(図1、2)。水揚の主体は三陸~常磐海域であった。
大船渡港:2月のマイワシ(棒受網主体)の水揚量は2,784トンで前月を下回ったが、前年同月を上回った(図3)。
石巻港:2月のマイワシ(まき網主体)の水揚量は3,885トンで前月・前年同月を下回った(図4)。三陸南部沖の漁獲物は、主に体長15~17.5cm、体重30~50gの範囲にあり、1~3歳魚が主体、4歳魚混じりであった(図5、6)。
銚子港:2月のマイワシ(まき網)の水揚量は20,941トンで前月を上回ったが、前年同月を下回った(図7)。鹿島灘の漁獲物は、体長16.5cm、体重40gにモードを持つ1、2歳魚が主体で3、4歳魚混じりであった(図8、9)。
境港:2月のマイワシの水揚量は2,373トンで前月を上回ったが、前年同月を下回った(図10)。隠岐海峡~日御碕沖の漁獲物は、体長16~19cm、体重45~80gの1~2歳魚が主体であった(図11、12)。
JAFIC主要港におけるさば類(全国)の2024年2月の水揚量は21,994トンで、前月の24,617トンを下回り、前年同月を上回った。価格は126円/kgで、前月・前年同月を下回った(図13、14)。漁獲の主体は対馬海域と山陰海域であった。
境港:2月の水揚量は7,262トンで、前月並みであり、前年同月を上回った(図15)。浜田沖の漁獲物は、体長(尾叉長)24~32cm、体重200~500gの1~3歳魚が主体であった(図16、17)。
松浦港:2月の水揚量は5,326トンで前月・前年同月を上回った(図18)。対馬沖の漁獲物は、体長(尾叉長)30~37cm、体重360~500g主体の2歳魚以上に小型の1歳魚が混じった(図19、20)。
JAFIC主要港におけるマアジ(全国)の2024年2月の水揚量は1,780トンで、前月の3,240トンを下回り、前年同月を下回った。価格は307円/kgで、前月・前年同月を上回り、2020年以降で最も高い水準であった(図21、22)。漁獲の主体は対馬海域と九州西沖海域であった。
松浦港:2月の水揚量は528トンで前月を上回ったが、前年同月を下回った(図23)。対馬沖の漁獲物は、体長(尾叉長)22~23cm、体重140~180g主体の2歳魚以上であった(図24、25)。
2月の全国のマイワシの水揚量は前月並みで、前年同月を下回り、漁獲の中心は三陸~常磐海域であった。太平洋系群のマイワシ長期漁海況予報(予測期間1~6月)によると、2歳魚以上の来遊量は前年並みの高水準であるが、1歳魚の来遊量は前年を下回ると予測されている。2月上旬は来遊量が高水準と予測された2~4歳魚が主に漁獲されていたが、中旬からは来遊量が前年を下回ると予測された1~2歳魚を中心に漁獲されている。また、日本海側でも2月下旬以降まき網でのマイワシの漁獲がまとまってきている。3月に入り三陸~常磐海域では休漁が多いものの漁獲が続き、本州中部海区でもまとまった漁獲がみられている。さらに、日本海側では脂肪の多いものが連日まとまって漁獲されている。太平洋、日本海ともに今後の動向を注視したい。
2月の全国のマサバの水揚量は低調であったが、漁獲の中心であった日本海及び東シナ海側の水揚量は前年同月比210%と好調であった。対馬暖流系群のマサバ長期漁海況予報(予測期間2023年11月~2024年3月)によると、1歳魚と2歳魚以上を主体に漁獲量は東シナ海では前年・平年並み、日本海側では前年並みで平年を上回るとされているが、2月の漁獲量は両海域ともに予報を上回った。3月に入ると、それまで漁獲の主体であった対馬海域の漁獲量が減少する一方、九州西沖海域での漁獲量は増加しており、今後の動向を注視したい。
2月の全国のマアジの水揚量は前年・平年を下回った。漁場は対馬海域と九州西沖海域が主体であった。マアジ対馬暖流系群の長期漁海況予報(予測期間2023年11月~2024年3月)によると、11~3月は1~2歳魚主体に、来遊量は前年並み(東シナ海)~前年を下回る(日本海)とされており、2月の水揚量は予報どおりであった。また、今後の主漁場になると予測されるのは九州西沖海域と東シナ海中・南部海域であり、九州西沖海域では例年3月に漁獲量が増加するため、両海域の動向に注目したい。
(水産情報部)