3月1~21日の全国主要漁港における生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は前年同期比51%増の103トンだった。宮城・石巻が全体をけん引しているものの、長崎や松浦(長崎)などで水揚げが落ち込んだ。
石巻は沖底引漁を中心に、前年同期の27倍に当たる60トンを水揚げした。宮城県水産技術総合センターは「今年は水温が高い。本来は南下するはずのスルメイカが残っているのでは」と推測する。ただ、現在の漁模様も「2000年代と比べると低い水準であることに変わらない。誤差にすぎない程度」と肩を落とす。
石巻に続く富山・魚津は4%減の17トン、愛媛・八幡浜が34%増の17トンとなった。
一方、九州の松浦、長崎は苦戦している。松浦が63%減の4トン、長崎が36%減の5トンになった。
長崎県総合水産試験場が発表するイカ釣による2月29日~3月13日の水揚量は前年同期(23年3月2~15日)の20分の1以下の570キロ。同試験場は「前年と同じように出漁しているにもかかわらず、水揚げが少ない状況が続いている」と嘆息する。
(みなと新聞取材)