トピックス
２月の概況と３月の見通し
まいわし
まいわしは、まき網では三陸～常磐沖、山陰沖等で漁獲された。三陸～常磐では１日あたり４千～７千２００トンのまとまった水揚げが５日間みられ、銚子主体に水揚げされた。銚子に水揚げされたまいわしの魚体は、２月上旬は４５～７５ｇの小中羽～中羽主体、中旬は４０～４５ｇの小中羽主体であった。２月下旬には山陰沖でも、１千トンを超える水揚げが２日間みられた。また、三陸で定置網や底曳網、岩手県沖で棒受網による漁獲がみられた。北陸では２月に入り、富山湾の定置網による漁獲が続いた。
２月上中旬の主要港における水揚量（以下「２月上中旬の水揚量」という。）は３万６千トンで、前月から３３％増加し、前年同月から１０％減少した。価格は９３円／ｋｇで、前月の８％安、前年同月の１５％高であった。
消費地（東京）におけるまいわしの入荷先は、岩手・千葉主体に宮城・石川・富山等からであった。２月上中旬の入荷量は前月から１８％増加し、前年同月から１３％減少した。価格は前月の４％安、前年同月並みであった。
今後、各地とも水揚げは好調に推移すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みと見込まれます。
さば類
さば類は、まき網では三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖（五島沖）、九州西岸（長崎、鹿児島）等で漁獲された。三陸～常磐沖はまいわし主体で、さば類の漁獲はみられなかった。一方で、山陰沖、対馬沖ではまさば主体、西沖ではさば類・あじ主体に漁獲された。境港では２月上中旬に１千トンを超える水揚げが３日間みられ、水揚量は前月・前年同月を上回った。九州各地でも前年同月を上回った。また、三陸では底曳網や定置網による漁獲がみられ、伊豆諸島周辺水域では少量ではあるものの、たもすくい網によるごまさばの漁獲がみられた。
２月上中旬の水揚量は２万トンで、前月から５２％増加し、前年同月の２．５倍であった。価格は１２４円／ｋｇで、前月の３１％安、前年同月の２２％安であった。
消費地（東京）におけるさばの入荷先は、まさばは宮城・鳥取・長崎主体に北海道・千葉・静岡・富山等から、ごまさばは千葉主体に宮城・三重・高知等からであった。２月上中旬の入荷量は前月並み、前年同月から６％減少した。価格は前月・前年同月並みであった。
今後も山陰沖、対馬沖・西沖では漁獲が継続すると思われるが、三陸～常磐沖のまき網の漁獲は終了したとみられ、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。
するめいか
小型いか釣船の漁場は、日本海側では山形、北陸、山陰および九州北部に形成されたものの水揚げは全般的に極めて低調であった。三陸各地では底曳網や定置網による漁獲がみられたものの、やりいか主体であった。また、富山湾でも定置網による漁獲がみられたものの、例年と比べて低調であった。
一方、中型いか釣船（船凍）による日本海のするめいか漁は、２月上旬は佐渡北沖で操業したものの漁が切れ、その後は対馬東沖へ移動した。２月末に今期の航海を終え、函館・八戸・小木で最終水揚げを行った。
２月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は８１トンで前月から８％減少し、前年同月から２８％減少した。価格は１，００８円／ｋｇで、前月の７％高、前年同月の５０％高であった。
消費地（東京）におけるするめいかの入荷先は、富山主体に青森・山形・新潟・鳥取・山口・長崎等、活物は新潟・三重・和歌山であった。２月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から２２％増加し、前年同月から１０％減少した。価格は前月の７％高、前年同月の６％高であった。
今後も産地の水揚げは低調に推移するとみられ、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじ
まあじは、まき網では、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖（五島沖）、九州西岸（長崎、鹿児島）等で漁獲されたものの、各地とも低調であった。また、少量ではあるものの引き続き三陸の底曳網・定置網による漁獲がみられた。
２月上中旬の水揚量は１千６００トンで前月から８％増加し、前年同月から６３％減少した。価格は３００円／ｋｇで、前月の７％高、前年同月の６９％高であった。
消費地（東京）におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に三重・島根・鳥取・高知・佐賀・福岡・宮崎・鹿児島等、中小あじは神奈川・京都・三重・島根等、小・豆あじは三重・高知主体に富山等からであった。２月上中旬の入荷量は前月から１１％増加し、前年同月から８％増加した。価格は前月の１４％安、前年同月の４％高であった。
今後も水揚げは低調に推移すると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
（水産情報部）