全国主要漁港における2月の生鮮マイワシ水揚量(速報値)は前年同月比41%減の3万9763トンだった。岩手県大船渡や宮城県気仙沼などは前年を上回ったが、千葉県銚子や鳥取県境港はしけが多く水揚げ日数が減ったため前年を下回った。
主要港別にみると、銚子は40%減の2万941トン、茨城県波崎は40%減の3791トン、宮城県石巻は41%減の3885トンと振るわなかった。漁場は三陸南部―犬吠埼沖で、巻網物が主体となった。
大船渡は69%増の2784トン、気仙沼は31%増の1378トン、境港は61%減の2373トン。主要港の1日当たり水揚量について、巻網主体の波崎、銚子、境港を合わせると前年並みとみられることから、魚群密度は前年並みだった可能性が高い。
水産研究・教育機構が公表した漁況予報では、マイワシ太平洋系群(1~6月)と対馬暖流系群(23年11月~24年3月)の来遊量はおおむね前年並みで推移する予想だ。太平洋はマサバが海洋熱波の影響などで期待できないので、マイワシの漁獲が増える要因になる可能性がある。
(みなと新聞取材)