2月の全国主要港の生鮮ブリ類(イナダ・ワラサ含む)水揚量(3月1日集計の速報値)は前年同月比72%少ない393トン。巻網を中心に漁獲量の多い鳥取・境港や長崎が伸び悩んだ。
冬場に巻網で10キロ以上の大型魚が揚がることもある境港だが、今年は同77%減の107トン。長崎も38%減の66トンとどまった。同じく巻網を主力とする長崎・松浦では4・9倍の44トンが揚がった。
ブリの漁獲は主要港のみならず全国各地に分散しており、データのカバー率は全体の4割ほどである。データに上がってこない比較的小規模な港の定置網などに関しては、1月に福井県で大型のブリサイズの水揚げが急伸(定置網のブリサイズ銘柄は前年同月比17・79倍の351トン)し、隣の京都とともに豊漁に沸いた。定置については2月上中旬にも石川、富山や佐渡島でまとまった漁獲があった。
2月下旬は九州の巻網の休漁や北陸からの魚群の南下、しけなどで各地の水揚げが伸び悩んだ。今後は高知から三重にかけての定置物、春の九州西方の産卵域での巻網物が獲れるのではないだろうか。
(みなと新聞取材)