JAFIC主要港における生鮮スルメイカ(全国)の1月の水揚量は150トンで、前月の458トンから6割減少し、2019年以降最低であった(図1, 2、表1)。
1月の生鮮スルメイカの平均価格は915円/kgで、2000年以降で最高であった前月(1,144円/kg)から2割下がったが、前年(826円/kg)を1割上回った(図3)。
1月の水揚量の前月比は、北海道の水揚げが終漁し、青森(太平洋側)が24%、三陸が21%、福島~愛媛が71%、九州が78%であったが、日本海は167%と増加した(図4)。これは、スルメイカ群の南下を表していると思われる。
また、1月の水揚量の前年比は、青森(太平洋側)で45%、三陸で28%、福島~愛媛で333%。日本海が56%、九州82%と福島~愛媛を除き下回った(図5)。
1月の水揚量は105トンで、時化の影響もあり、前月(232トン)から半減した(図6)。1月の価格は2,011円/kgで、前月(2,042円/kg)に続いて過去最高価格帯となった(図7)。
中型いか釣り船は、日本海の佐渡北沖のスルメイカ漁と三陸近海の冬季アカイカ漁に分かれて操業した。冬季アカイカ漁の漁獲は今期もほぼ皆無で、残った約10隻が佐渡北沖等でスルメイカ漁を行った。
全国の生鮮ヤリイカの1月の水揚量は631トンで、前年1月(764トン)を下回った(図8, 9)。
生鮮ヤリイカのJAFIC主要港の2023年の水揚量の約半分は石巻港で、盛漁期は秋から冬であった(図10, 11)。石巻港の1月の水揚量は252トンで、前月並み(265トン)であったが、前年1月の570トンから半減した。
各地の水揚動向からスルメイカ群れは前月より南下したと考えられるが、1月の水揚量は一部の海域を除き前年を下回った。また、富山湾のスルメイカ定置網漁は例年1~3月にまとまるが、今期は例年の半分の漁獲と資源状態を反映し、低水準に留まった。不漁に伴い、当業船の減船が続くが、少しでも今期の好漁を祈りたい。
(水産情報部)