1月の全国主要漁港における生鮮ヤリイカの水揚量は631トンだった。直近5年間で最高値だった前年同月からは17%減ったが資源は増加傾向にある。スルメイカが不漁の上に冬季は南下する中、三陸を中心にヤリイカの存在感は強まっている。
水揚げの主体は宮城県石巻と岩手県宮古。福島県相馬原釜でも獲れる。高水温のため表層の釣では獲れず、主に底引網で漁獲している。冬季はスルメイカが産卵で南下し三陸・常磐からいなくなるため、回遊範囲の狭いヤリイカが獲りやすい魚種になっている。
三陸・常磐は2月に入っても好調で、1~20日の全国主要漁港総水揚量は386トンと、前年同期間から59%増。平均キロ単価900円以上のスルメイカやソデイカに比べ、同700円台のヤリイカは売りやすく、東京都内の量販店では小型が2~3尾のパックで販売される。
一方、山陰-九州北部の釣では資源状態が悪く、しけも多いため低調。三陸・常磐でも3月以降に産卵期を迎えて移動が予想されるため、今後の水揚げは低調になる見込み。
(みなと新聞取材)