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2024年02月20日
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vol.1282 記事一覧

1月の概況と2月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では三陸~常磐沖で漁獲された。1月は時化が多かったものの、三陸~常磐一体で5千100~7千700トンのまとまった水揚げが4日間みられた。石巻に水揚げされたまいわしの魚体は35~50gの小中羽主体、銚子は35~75gの小中羽~中羽主体であった。また、三陸沿岸で定置網、岩手県沖で棒受網による漁獲がみられた。

1月上中旬の主要港における水揚量(以下「1月上中旬の水揚量」という。)は2万7千トンで、魚群南下の遅れで漁獲が低調であった前月の61倍、前年同月から19%増加した。価格は100円/kgで、前月の43%安、前年同月の8%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、岩手主体に青森・宮城・千葉からであった。1月上中旬の入荷量は前月の2.2倍、前年同月から28%増加した。価格は前月の34%安、前年同月の7%安であった。

今後、常磐沖のまき網、三陸の定置網、棒受網でまいわし主体に漁獲され、産地の水揚量は増加すると予想される。東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。常磐沖では、さば類の漁獲は極めて低調で、まいわし主体の漁獲に切り替わった。一方、山陰沖、対馬沖では1月もまさば主体に漁獲され、境港では1千トンを超える水揚げが5日間みられた。境港及び松浦に水揚げされたまさばの魚体は400g前後主体であった。また、三陸では沖合底曳網や定置網による漁獲がみられ、伊豆諸島周辺水域では少量ではあるものの、たもすくい網によるごまさばの漁獲がみられた。

1月上中旬の水揚量は1万3千トンで、前月から17%減少し、前年同月から44%減少した。価格は180円/kgで、前月並み、前年同月の8%高であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは長崎主体に北海道・岩手・宮城・千葉・新潟等から、ごまさばは宮城・千葉・三重等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から9%増加し、前年同月から29%増加した。価格は前月の6%安、前年同月の13%安であった。

今後、山陰沖、対馬沖・西沖では漁獲が継続すると思われるが、三陸~常磐沖のまき網の漁獲は期待できず、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣船の漁場は、日本海側では北海道西、山形、佐渡、山陰および九州北部に、太平洋側(昼いか釣主体)では青森~岩手県沖に形成されたものの、時化が多かったこともあり、水揚げは全般的に極めて低調であった。三陸各地では底曳網や定置網による水揚げがみられたものの、例年どおりやりいか主体であった。また、富山湾でも定置網による漁獲がみられ、例年よりも低調であったものの、他の漁場と比べるとややまとまった。

一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、時化で漁に出られない日が多かったものの、年明けは佐渡沖、1月下旬には隠岐諸島西で操業した。

1月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は88トンで前月から75%減少し、前年同月から55%減少した。価格は941円/kgで、前月の22%安、前年同月の13%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に北海道・青森・山形・新潟・三重・和歌山等からであった。1月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から19%減少し、前年同月から45%減少した。価格は前月の16%安、前年同月の13%高であった。

今後も産地の水揚げは低調に推移するとみられ、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲されたものの、各地とも低調に推移した。また、少量ではあるものの三陸の底曳網・定置網による水揚げがみられた。

1月上中旬の水揚量は1千500トンで前月から51%減少し、前年同月から22%増加した。価格は279円/kgで、前月の9%高、前年同月の4%安であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に千葉・島根・鳥取・高知・佐賀・大分等、中小あじは三重・長崎等、小・豆あじは三重主体に岩手・新潟・高知等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から24%減少し、前年同月から22%増加した。価格は前月の31%高、前年同月の22%高であった。

今後も水揚げは低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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