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2024年01月23日
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12月の概況と1月の見通し

まいわし

まいわしは、道東沖でタモすくい網、三陸沿岸で定置網による漁獲がみられたものの、低調であった。タモすくい網の操業は12月中旬まで続き、花咲・浜中・厚岸に水揚げされた。また、12月末には岩手県沖で棒受網による漁獲がみられた。

12月上中旬の主要港における水揚量(以下「12月上中旬の水揚量」という。)は440トンで前月から72%減少し、前年同月から30%減少した。価格は177円/kgで、前月の48%高、前年同月の53%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道主体に青森・岩手・宮城からであった。12月上中旬の入荷量は前月から18%増加し、前年同月から24%増加した。価格は前月の22%安、前年同月並みであった。

三陸~常磐海域における海洋熱波の発生や黒潮続流の接岸により、魚群の南下が遅れているが、今後、産地の水揚量は徐々に増加すると予想される。東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では八戸沖、三陸~常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。八戸沖、三陸~常磐沖では、12月に入り、1日あたり200~2千300トンの水揚げがみられたものの、例年と比べて極めて低調であった。常磐沖のまさばの魚体は200g前後主体と小さかった。一方、山陰沖や対馬沖ではまさば主体に漁獲され、さば類の水揚量は境港や九州各地で前年を上回り、好調であった。また、三陸沖では沖合底曳網による漁獲がみられ、石巻では1日あたり数十~200トンの水揚げが続いた。三陸沿岸では引き続き定置網による漁獲もみられた。また、少量ではあるものの、伊豆諸島水域ではたもすくい網によるごまさばの漁獲がみられた。

12月上中旬の水揚量は1万6千トンで、前月から33%増加し、前年同月から12%減少した。価格は177円/kgで、前月の5%高、前年同月の38%高であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは宮城主体に北海道・青森・岩手・千葉・富山・長崎等から、ごまさばは岩手・神奈川・千葉からであった。12月上中旬の入荷量は前月並み、前年同月から10%減少した。価格は前月の5%安、前年同月の8%安であった。

今後、産地の水揚げは低調に推移するとみられ、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣船は、日本海側では北海道北~道南~山形~北陸に、太平洋側(昼いか釣主体)では道東~青森県~岩手県沖に漁場が形成されたものの、全般的に極めて低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網によって、八戸、宮古、釜石、大船渡、石巻等に水揚げがみられた。

一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、能登半島周辺や佐渡沖で操業したものの、時化が多かったことや漁獲が低調だったことから、今期の操業を切り上げた船もみられた。今後の操業や水揚げへの能登半島地震の影響について注視する必要がある。

12月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は350トンで前月から56%減少し、前年同月から12%減少した。価格は1,205円/kgで、前月の5%高、前年同月の15%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、北海道・青森・岩手・石川・三重等からであった。12月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から22%減少し、前年同月から18%減少した。価格は前月、前年同月の9%高であった。

年明けからの漁況も低調に推移するとみられ、生鮮物の東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)、九州西岸(長崎、鹿児島)等で漁獲された。西沖ではまあじ・さば類主体に漁獲され、松浦の水揚量は1千200トンと、前月(830トン)を上回った。また、少量ではあるものの三陸の底曳網・定置網による水揚げがみられた。

12月上中旬の水揚量は3千100トンで前月から33%増加し、前年同月から10%増加した。価格は257円/kgで、前月の14%安、前年同月の8%高であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に千葉・富山・静岡・京都・島根・鳥取・高知・佐賀・鹿児島等、中小あじは宮城・千葉・静岡等、小・豆あじは三重主体に宮城・千葉・高知等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から4%減少し、前年同月から21%減少した。価格は前月の10%安、前年同月の19%高であった。

水揚げは低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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