2023年12月中旬(11日以降)~24年1月上旬(10日まで)の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は237トン。記録上最悪水準だった前年同期を9トン上回るもの、壊滅的な少なさに変わりない。
三陸の石巻(宮城)で69トン、宮古(岩手)で21トン、大船渡(同)で19トンが揚がり、年明けは富山湾の定置網に入網があるが、例年年明けにイカ釣などで漁獲がある長崎―山陰はほぼ獲れていない。
14年12月の水揚量は8487トンで、平均キロ単価は257円。一方、23年は425トン、1158円。数量は10年間で95%減、価格は4・5倍ということになる。
今冬は12月以降、例年以上にしけで操業できない日が多いことに加え、資源状態は14年前後から落ち込み、23年は前年をさらに下回る過去最低水準。
スルメイカの寿命は1年のみで、資源量はその年の卵や仔稚魚が生き残れるか、という環境条件が重要となる。ただ、ここ10年間は再生産(卵や仔稚の生き残り)が失敗している。温暖化や黒潮の蛇行、外国船の影響もあるかもしれない。
(みなと新聞取材)