9月1~27日の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は3169トンだった。今年に入って初めて月量1000トンを超え、前年同月の累計2836トンを上回った。全国主要港の平均浜値は約3~4%安の893円。ただ、今年1月からの累計では前年同期比4割減の6291トンにとどまり低水準で推移している。
ここ数年漁獲を支えた日本海の分布の主体の秋季発生系群がいない。太平洋を北上する冬季発生系群は期待したほどは出なかった。
9月1~27日の漁港別では、青森県八戸は前年同期比16%増の1066トンを記録した。岩手県宮古は2・2倍の909トン、宮城県石巻は3・3倍の603トンだった。それぞれ各前浜で沖底引網主体に操業する。三陸・常磐は夏季の表面水温が30度以上とスルメイカにとってはかなり高い状況。群れが海底深くに潜っているのではないか。
今後も水揚げは伸びないだろう。最後に北海道羅臼で若干群れが出るかどうか。不漁が長引く中、黄海・渤海も含めて日本海全域の国際的な資源調査や管理が必要な時期ではないか。
(みなと新聞取材)