全国主要漁港の生鮮マサバなど(ゴマサバとの合算の港も含む)の9月20日までの水揚量速報値は、前年同期比61%増の5405トンとなった。水揚げの中心は石巻(宮城県)の底引や長崎、松浦(長崎県)、境港(鳥取県)の巻網。特に巻網の増産が目立つ。
底引網を主力とする石巻は前年同期比67%増の1249トン。海洋熱波の影響によりマサバの分布水深が深くなり、(深場を狙う)底引で獲れやすくなった可能性がある。太平洋岸では近年、比較的浅場を狙う巻網の漁協が悪化している一方で、三陸の底引は増加している。10月以降も海洋熱波が続くと予測され、同様の傾向が続くのではないか。
石巻に続くのが、対馬暖流域で巻網を主力とする長崎、松浦、境港。長崎は同4・45倍の782トン、松浦は6・8倍の695トン、境港は2倍の385トンだった。
今年10月以降の見通しは現時点で長期予報が出ておらず不明だが、例年は九州西部で盛漁期を迎える時期。山陰については、来遊魚種が季節により年々変動が大きいため予測が困難である。
(みなと新聞取材)