9月上旬の全国主要港における生鮮サンマ水揚量は前年同期の約2倍となる1074トンだった。2019年からの不漁は続いているが、前年より魚体が大きめで、漁場が西側に形成されたため微増した。
魚体について、8月時点では1尾25~27センチ、70~80グラム台が中心で、前年8月の60~80グラム台よりやや大きかった。今年は漁獲物により29センチ、100~110グラム台も見られた。9月からは120~130グラム台も混じり出したが、太り具合の面では不十分。
魚体のやせ傾向は高水温が原因。8月の主漁場は前年からやや西の公海に位置して昨年を超える漁獲量に寄与しているが、水温は昨年と同様の19~22度で非常に高い。近年は水温が低下する9月下旬から南下群が出現し漁獲がまとまる傾向で、脂のりにも期待できる。
主な陸揚げ地は8、9月ともに北海道の花咲と厚岸、岩手・大船渡だが、今年はロシアの200カイリ内で操業でき昨年よりも有利な条件なので、南下群が出現したときにどの程度魚群が太っているかが注目される。
(みなと新聞取材)