8月の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は前年同月比7割減の573トンにとどまった。不漁の要因として、日本近海の高水温や資源量が過去最低水準にあること、日本海から黄海では中国の底引網船による漁獲圧が強いことなどが考えられる。
漁港別にみると、三沢市(青森)が63%減の113トン、八戸(同)が72%減の86トン、白糠(同)が53%減の65トンだった。2023年は近年でも特に低い水準となっている。
日本海のスルメイカ漁場は対馬東、隠岐諸島、能登半島、山形から渡島沿岸などに形成されている。一方、船凍船の中型イカ釣は2年ぶりに大和堆北方のロシア水域内に漁場形成された。太平洋側は道東の漁獲が28日時点では皆無であった。三陸の小型イカ釣は青森の太平洋側にある下北半島での昼イカ釣漁がメイン。夜イカ釣は低調で、漁獲水深の深い同半島(三沢、白糠)の昼イカ釣が上向くと見込む。
日本近海の水温について、三陸や日本海が平年よりかなり高い状況が続いている。特に太平洋の平年差は6度高、房総半島以北で2度高。日本海の表面水温も全域で高く、能登半島以北では3度高。
(みなと新聞取材)