まいわしは、まき網で道東沖、八戸沖、三陸~常磐沖、山陰沖等で漁獲された。道東沖のミール向けを主体とするまき網漁は、10数船団が操業し、1日あたり1千~5千500トンのまとまった漁獲が続き、釧路・広尾に水揚げされた。価格は釧路、広尾ともに前年同月を上回り、高相場を維持した。八戸でも1日あたり200~1千700トンの水揚げが続いた。また、三陸では引き続き定置網による漁獲がみられ、道東沖ではさけ・ます流し網漁業代替のまいわし棒受網漁が行われた。
7月上中旬の主要港における水揚量(以下「7月上中旬の水揚量」という。)は6万1千トンで前月の2.8倍、前年同月から6%減少した。価格は51円/kgで、前月の35%安、前年同月の16%高であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道・青森・千葉・石川・長崎等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から51%減少し、前年同月から49%減少した。価格は前月の10%高、前年同月の16%高であった。
今後、小型サイズ主体の水揚げで、鮮魚サイズが少ないとみられ、東京への入荷量は減少し、卸売価格は強含むと見込まれます。
さば類は、まき網では八戸沖、常磐沖、静岡県~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部等で漁獲された。山陰沖では7月上旬はまさば主体、対馬沖ではまさば主体にごまさばの漁獲がみられたものの、全般的に低調であった。一方、三陸沿岸や富山湾では定置網、伊豆諸島水域ではタモすくい網(ごまさば)による漁獲がみられた。
7月上中旬の水揚量は5千200トンで、前月から66%減少し、前年同月から36%増加した。価格は133円/kgで、前月の27%高、前年同月の14%高であった。
消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは岩手・宮城主体に青森・千葉・富山等から、ごまさばは千葉主体に岩手・神奈川・静岡等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から14%減少し、前年同月から22%増加した。価格は前月の10%高、前年同月の14%高であった。
さば類の水揚げは秋季まで低調に経過すると予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
小型いか釣り漁船の漁場は、日本海側の北海道西~道南~山形~北陸~山陰~九州北部に分散して形成され、全般的に低調であった。一方、太平洋側では下北半島~岩手県沖に漁場が形成され、昼いか釣主体の漁を行った。また、三陸の定置網・底曳網でも少量ではあるものの漁獲がみられた。
一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、7月初めは前月に続き対馬東沖でするめいか主体の操業を行った。その後は大和堆周辺で操業し、一時まとまった漁獲がみられたものの、7月下旬は群がいなくなり、対馬東~壱岐沖でけんさきいか主体にするめいか混じり、佐渡沖ではするめいか主体の漁を行った。
7月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は289トンで前月から27%減少し、前年同月から81%減少した。価格は951円/kgで、前月の22%高、前年同月の58%高であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、石川・福井主体に青森・岩手・新潟等からであった。7月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から41%減少し、前年同月から77%減少した。価格は前月の73%高、前年同月の2.1倍であった。
今後も大幅な漁獲増加はみられず、全国的に低調に推移すると予想され、生鮮物の東京への入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部等で漁獲され、全般的に低調であった。東シナ海中南部海域では、まあじ主体に漁獲され、魚体は100~140g主体と小さかった。また、少量ではあるものの、三陸の底曳網・定置網による水揚げがみられた。
7月上中旬の水揚量は1千300トンで、前月から52%減少し、前年同月から60%減少した。価格は447円/kgで、前月の69%高、前年同月の87%高であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に石川・高知・佐賀等、中小あじは新潟主体に島根・山口・長崎等、小・豆あじは三重主体に神奈川・新潟・静岡・高知等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から27%減少し、前年同月から34%減少した。価格は前月の36%高、前年同月の86%高であった。
今後も水揚げは低調に推移すると予想され、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
かつお近海竿釣り船の主漁場は三陸~房総沖主体に形成され、7月に入り、びんながからかつお主体の漁獲に切り替わった。1日1隻あたりの平均漁獲量は5.1~21.1トンで、前月よりも好調であった。気仙沼主体に千葉県勝浦、鹿児島等に水揚げされ、かつおの魚体は2kg台主体であった。また、かつお・まぐろまき網漁は青森県沖~房総沖、青森県や三陸の沿岸で操業した。かつお主体にくろまぐろ、きはだ、めばち、びんなが等の漁獲がみられ、気仙沼、石巻、塩釜、小名浜、銚子、千葉県勝浦等に水揚げされた。
7月上中旬の生鮮かつおの水揚量は、7千200トンで前月の2倍、前年同月の2.4倍であった。価格は327円/kgで、前月の15%安、前年同月の30%安であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮城主体に福島・千葉・伊豆諸島・静岡・三重・高知等からみられた。7月上中旬の入荷量は前月から6%減少し、前年同月から22%増加した。価格は前月の18%安、前年同月の19%安であった。
例年、8月の竿釣りはお盆で休漁する船がみられるものの、当面かつおの漁獲は好調に推移すると予想される。今後、東京の入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。
(水産情報部)