6月の全国主要港での生鮮マイワシの水揚量(21日までの速報値)は前年同期より10%少ない2万3963トンだった。同平均キロ単価は72%高の79円。フィッシュミールの高騰やサバの不漁により、昨秋から高止まりしている。
同期間の水揚げ最多は常磐で巻網を主力とする千葉・銚子だったが、前年同期比だと71%減の6650トン。水揚げ2位は三陸で巻網や定置網を操業する宮城・石巻で3%増の5141トンだった。中心サイズは40グラム程度と小さかったが、同期間の単価は銚子で2・3倍の112円、石巻で53%高の61円だった。
三陸では宮城・気仙沼の水揚げも前年を上回り、常磐では茨城・波崎でも減少。前年より海洋熱波が強力かつ広範囲に常磐-三陸で生じて太平洋側のマイワシの北上が早まり、三陸は好調、常磐は不調となったと考えられる。
水揚げ3位は日本海側の鳥取・境港で28%増の2692トン。魚体は90グラム程度が中心だった。
なお水産研究・教育機構の予報によると7月までの房総―道東海域への来遊は前年並み~上回り、9月まで東シナ海・日本海は前年・平年を上回りそうだ。
(みなと新聞取材)