5月の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(26日までの速報値)は141トンだった。現状は過去最低水準の資源量とみられ、大不漁といわれた2021~22年でも5月全体で599~708トンあったことと比べると「凶漁」が際立つ。
5月全体の同水揚量は12~20年、816~3368トンで推移。今年は近年最低ペース“独走”の様相だ。なお3月は前年同月比10%減の304トン、4月は61%減の145トンとなっている。
水産研究・教育機構が12日に発表した予報でも、5~7月の日本海のスルメイカ来遊量は前年および18~22年平均を下回る見込み。今年の分布調査の結果、生後間もない幼生の密度が低いという。
いっそうの凶漁が目立つ今年5月で、シェア最多となっているのは46トンの宮城・石巻。そこに長崎と長崎・松浦が17トンずつで続いている。
石巻の漁獲量は底引がメイン。19~24日のうち5日間で5トンを超えるなど「最近になってまとまっている」(石巻魚市場)。5月の石巻での平均キロ単価は389円で、全国平均584円よりは安く推移している。
(みなと新聞取材)