全国主要漁港における18日までの生鮮ブリ(イナダ、ワラサなど含む)の5月水揚量は前年同期比27%減の1100トンだった。長崎(27%増の564トン)や長崎・松浦(83%増の360トン)を中心にまとまっている。
東シナ海のクチミノセ(奄美大島北沖)では、例年通り日本遠洋旋網漁協の所属船が、産卵後10キロ前後の大型魚を漁獲している。同海域でのサイズ組成は5~10キロ級のブリ銘柄。千葉は1キロ級のイナダ、三陸はワラサ級が主体となっている。
4月の全国水揚量は前年同月比23%減の5059トンだった。三重や和歌山で産卵親魚の定置網への入網は3月から始まり、5月初旬の大型連休ごろには終了した。
巻網漁船による東シナ海のブリ漁は時期的には終漁で、夏季は山陰で1キロ前後の小型魚がまとまる見込み。大型魚は北海道周辺まで索餌回遊し、秋季に定置網で漁獲される。道産ブリは近年評価が高く、ブランド化も進んでいる。
夏場のブリ類は脂のり、身質が悪く、鮮魚には不向きで、身質が上向くのは秋から冬になる。
(みなと新聞取材)