全国主要漁港の4月中旬(1~20日)までの生鮮ビンナガ水揚量は566トンだった。和歌山・紀伊勝浦や千葉・銚子、宮城・塩釜などで水揚げが続いている。昨年は極端に少なかった3歳魚が例年並みに出現している。
3月の水揚量は不漁の前年同月に比べ41%増加した。例年主産地となる紀伊勝浦に加え、銚子や塩釜でも水揚げが増加した。紀伊勝浦の20%増に対し、銚子が約2・4倍、塩釜が約2・1倍だった。1~4月中旬までの累計水揚量は5281トンで、昨年を除く過去5年と比べてやや低い水準で推移している。
継続する黒潮大蛇行の蛇行経路によって、遠州灘から伊豆諸島にかけて暖流が陸側に波及する場合もある。この暖水が日本近海へビンナガの来遊を促している可能性がある。
今年は伊豆諸島周辺の水温上昇が昨年より早く、現時点で例年並みにビンナガが出現している。盛漁期の5~7月はさお釣が主体となるが、春の延縄漁業で3歳魚が昨年よりも多く漁獲されたことを理由に今後に期待が持てる。
(みなと新聞取材)