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2023年04月20日
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vol.1189 記事一覧

3月の概況と4月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網で常磐沖、静岡県~三重県沖、山陰沖、対馬沖等で漁獲された。三陸~常磐では1日あたり4千~7千トンのまとまった水揚げが7日間みられ、銚子主体に石巻、波崎等に水揚げされた。魚体は50~60gの小中羽主体であった。境港でもまとまった水揚げが続き、1日あたり1千トンを超す水揚げが8日間みられた。魚体は70~75gの中羽主体であった。また、三陸沿岸で定置網による漁獲がみられ、石巻主体にまとまった水揚げが続いた。北陸では、3月も富山湾の定置網で好漁が続いた。

3月上中旬の主要港における水揚量(以下「3月上中旬の水揚量」という。)は5万3千トンで、前月から32%増加し、前年同月から46%増加した。価格は56円/kgで、前月の30%安、前年同月の57%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、鳥取主体に宮城・千葉・富山・石川等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から3%減少し、前年同月から6%増加した。価格は前月の5%安、前年同月の7%高であった。

産卵の盛期を迎え、三陸~常磐沖の大型魚は伊豆諸島~四国沖まで南下する。一方、富山湾や境港では好漁が続いており、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では、静岡県~三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。前年3月に8千400トンの水揚げがあった銚子では0.5トンと極めて低調で、常磐海域の水温が高かったことが一因とみられる。また、三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網、伊豆諸島水域ではタモすくい網、富山湾では定置網による水揚げがみられた。

3月上中旬の水揚量は5千900トンで、前月から28%減少し、前年同月から52%減少した。価格は125円/kgで、前月の21%安、前年同月の35%高であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは千葉・富山・石川・静岡・長崎等から、ごまさばは千葉・静岡・三重等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から7%減少し、前年同月から27%減少した。価格は前月の4%高、前年同月の43%高であった。

今後、東京への入荷量は低調・横ばい、産卵の盛期に入ることで身質が低下するものの、水揚げが低調な状態が続くとみられ、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣り漁船の漁場は、主に日本海側の佐渡、山陰~九州北部に形成された。全般的に低調であったものの、3月末に山陰~九州北部で一時的に漁獲が上向いた。また、富山湾の定置網で漁獲がみられ、富山県水産情報システムによると3月は520トンで前月(130トン)、前年同月(390トン)を上回った。

3月上中旬の小型いか釣り等による生鮮するめいかの水揚量は58トンで前月から48%減少し、前年同月から57%減少した。価格は819円/kgで、前月の22%高、前年同月の29%高であった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山・長崎主体に石川・山口等、活物は千葉・新潟・静岡・三重等であった。3月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から34%増加し、前年同月から28%減少した。価格は前月の11%安、前年同月の17%高であった。

4月は漁の端境期のため、生鮮物の東京への入荷量は低調・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。

まあじ

まあじは、まき網では三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等に漁場が形成された。2月に好漁であった山陰沖では、3月はまいわしの水揚げが好調だった半面、まあじの漁況は極めて低調であった。東シナ海では、西沖でまあじ・さば類等主体に漁獲され、まあじは長崎で1千トン(前月比184%)、松浦で1千100トン(前月比84%)水揚げされた。

3月上中旬の水揚量は1千100トンで、前月から75%減少し、前年同月から62%減少した。価格は407円/kgで、前月の2.3倍、前年同月の2.1倍であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に三重・高知・佐賀・長崎・鹿児島等、中小あじは京都・鹿児島、小・豆あじは三重主体に新潟・石川・富山等からであった。3月上中旬の入荷量は前月から15%増加し、前年同月から25%減少した。価格は前月の5%安、前年同月の42%高であった。

今後、盛漁期に入ることから産地の水揚量が増加すると予想され、東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みで推移すると見込まれます。

かつお

今期のかつお近海竿釣り漁は1月下旬から始まった。主漁場は1~2月は小笠原南東海域(かつお特大主体)に、3月は南西諸島周辺海域(かつお極小主体)に形成された。鹿児島主体に水揚げされ、1~3月の水揚量は1千200トン(前年比62%)であった。3月中下旬には伊豆諸島周辺海域~遠州灘沖にも漁場が形成され、千葉県勝浦では新口(前日物)の水揚げが増加した。

3月上中旬の生鮮かつおの水揚量は、957トンで前月の5.3倍、前年同月から29%減少した。価格は434円/kgで、前月の13%安、前年同月の52%高であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、鹿児島主体に千葉・静岡・伊豆諸島・三重・和歌山・愛媛・高知・宮崎等からみられた。3月上中旬の入荷量は前月の7.4倍、前年同月から9%減少した。価格は前月の42%安、前年同月の34%高であった。

今後、東京の入荷量は増加し、卸売価格は小型サイズが増えてきていることから、やや弱含むと見込まれます。

(水産情報部)

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