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2023年03月28日
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vol.1184 記事一覧

1~2月の近海カツオ竿釣り漁場と生鮮カツオの水揚状況について

1. 近海竿釣り船の漁場

本年の近海カツオ竿釣り船は、例年通り1月末頃から順次漁期がはじまった。1~2月の漁場は房総野島崎のはるか南東22°N、150°E周辺でカツオ特大、小笠原南方でカツオ極小、南西諸島周辺でカツオ極小・キハダ(シビ)、紀伊半島南でキハダ主体となった(図1a赤丸)。前年同期は、伊豆・小笠原ルートを北上すると思われるカツオ極小の群れがほとんどみられなかったが、本年1~2月は今後東北沖へ北上が期待できるカツオ極小の群れが小笠原南方に見えている。本年の操業隻数は2月までは延94隻で、前年(図1b)より少ないが、前年より漁場が陸から遠いことが要因と考えられる。

2. 水揚量と価格

2月の全国の釣りによる生鮮カツオ水揚量は295.4トンで(図2)、前年同月並で、過去5年平均の38.4%だった。千葉県勝浦港への水揚げが最も多く183.1トン、次いで鹿児島港が100.4トンの水揚げだった。全国平均価格は491円/kgとなり、前年・過去5年平均を上回った(図2)。なお、本年1~2月は、まき網による水揚げは、長崎県松浦港に少量あったのみで、ほとんどなかった。

3. 今後の見通し

本年は前年よりは極小カツオの漁獲があり、この魚体は秋の中型カツオに繋がるサイズのため、東北沖での秋のカツオ漁に期待がもたれる。ただし、極小カツオの漁獲量は多くはなく、燃油費との兼ね合いから水揚港に近い南西諸島周辺に春先は漁場が集中すると見られる。伊豆諸島周辺の水温が20℃以上になればカツオが北上しやすくなり、晩春ごろには伊豆諸島周辺での漁場形成も期待できるだろう。

(水産情報部)

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