全国主要漁港における2月の生鮮マイワシ水揚量(速報値)は前年同月比38%増の6万7531トンだった。千葉・銚子や茨城・波崎など太平洋側の主要港で前年から1万2000トン以上増加した。
2月に常磐海域で多く獲れるサバ類が、海洋熱波の影響で深い水深に分布。巻網漁船が漁獲できる水深に分布するマイワシ狙いになったことが太平洋側における好漁の要因。
茨城県水産試験場によれば、3月に入り常磐海域におけるマイワシの産卵が確認されている。同海域にとどまる群れの発生に加え、海洋熱波によるサバの不漁およびマイワシ狙いが継続するだろうことから、3月も好漁が続く見込み。
日本海側では青森県以南の各地でマイワシの南下による好漁が認められる。鳥取・境港の水揚量は3月上旬(10日)時点で前年比34%減の4115トンだが、これはしけの影響で山陰巻網漁船の出漁が断続的であるため。2月から6000トン以上を漁獲した今年は、近年好漁だった2020年2月と比較しても2倍以上となる。境港でも3月の好漁が続く予測だ。
(みなと新聞取材)