まいわしは、まき網では三陸~常磐沖、山陰沖、対馬沖等で漁獲された。三陸~常磐一帯では1日あたり7千~9千トンのまとまった水揚げが6日間みられ、銚子主体に水揚げされた。魚体は50~60gの小中羽主体であった。2月下旬には山陰沖でもまとまり、境港では1日あたり1千~1千500トンの水揚げが4日間みられた。また、三陸沿岸で定置網、岩手・宮城県沖で棒受網による漁獲がみられた。北陸では2月に入り、富山湾の定置網で好漁が続いた。
2月上中旬の主要港における水揚量(以下「2月上中旬の水揚量」という。)は4万トンで、前月から76%増加し、前年同月から21%増加した。価格は80円/kgで、前月の14%安、前年同月の88%高であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、石川主体に岩手・宮城・千葉・富山・静岡・鳥取等からであった。2月上中旬の入荷量は前月から72%増加し、前年同月から31%増加した。価格は前月の11%安、前年同月並みであった。
3~4月にかけて産卵の盛期を迎え、三陸~常磐沖では大型魚が伊豆諸島~四国沖まで南下する。一方、富山湾や境港からの入荷は続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、各地で好漁が続いていることから卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。
さば類は、まき網では、三陸~常磐沖、静岡県沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。各地とも低調であったものの、山陰沖では2月上中旬はまさば主体に漁獲し、境港で1日あたり100~900トンのややまとまった水揚げがみられた。一方、三陸沖では底曳網による漁獲がみられ、下旬には石巻で1日あたり150~300トンの水揚げが続いた。三陸沿岸では定置網でも漁獲がみられた。また、伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が行われ、ごまさば主体にまさばも漁獲した。
2月上中旬の水揚量は8千200トンで、前月から66%減少し、前年同月から33%減少した。価格は158円/kgで、前月の5%安、前年同月の37%高であった。
消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは青森・岩手・千葉・富山・石川・静岡・鳥取・長崎等から、ごまさばは千葉・静岡・三重等からであった。2月上中旬の入荷量は前月から37%増加し、前年同月から12%減少した。価格は前月の12%安、前年同月の9%高であった。
今後も水揚げは低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量は低調でやや減少し、鮮魚で流通するサイズが少ないことから、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。
小型いか釣り漁船の漁場は、主に日本海側の佐渡、山陰~九州北部に形成された。全般的に非常に低調であったものの、2月下旬以降、九州北部の漁獲が上向いた。三陸各地では底曳網主体に漁獲されたものの、やりいか主体であった。また、富山湾の定置網で漁獲がみられ、例年よりも低調ながらまとまり始めた。
2月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は112トンで前月・前年同月から43%減少した。価格は673円/kgで、前月の20%安、前年同月の25%高であった。
一方、中型いか釣り船(船凍)は対馬沖等で操業し、2月末で日本海のするめいか漁を終漁した。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、山口・長崎主体に山形・新潟・富山等、活物は新潟・静岡であった。2月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から25%減少し、前年同月から53%減少した。価格は前月の14%高、前年同月の43%高であった。
3~4月は漁の端境期となることから、生鮮物の東京への入荷量は低調・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まき網で茨城県沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で操業した。前月に水揚げのなかった境港では、2月は前年比9倍の2千100トンと好調であった。東シナ海では、西沖でまあじ主体に漁獲され、2月の松浦の水揚量は1千600トンと前月から86%増加した。一方、三陸沿岸では引き続き定置網や底曳網による水揚げがみられた。
2月上中旬の水揚量は4千500トンで、前月の3.6倍、前年同月から86%増加した。価格は177円/kgで、前月の39%安、前年同月の10%安であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に高知・鳥取・佐賀・鹿児島等、中小あじは長崎・島根等、小・豆あじは三重主体に京都・新潟・石川・富山等からであった。2月上中旬の入荷量は前月から25%増加し、前年同月から28%減少した。価格は前月並み、前年同月の52%高であった。
さば漁のTAC制限のため、東シナ海でのまき網によるまあじ漁の今後の状況は不明瞭であるものの、産地の水揚量は盛漁期を前に徐々に増加すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。
(水産情報部)